2020年6月1日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
毎日使用することの多い給湯器ですが、ときには電源が入らない、リモコンがつかない・作動しない、といったトラブルが発生することがあります。
故障の可能性もありますが、まずはこれからご紹介する各項目をチェックして、その原因を確認してみましょう。
目次
給湯器(リモコン)がつかない症状
まずは、給湯器(リモコン)がつかない可能性を、症状(状況)別にみてみましょう。
- 給湯器本体がつかない(作動しない)
- リモコンの電源(ランプ)がつかない
- リモコンの液晶だけつかない
これらの症状が発生したときに、「お湯が出ないか?」「お湯は出るか?」で原因や対処方法が異なってきます。
症状 | お湯が出ない | お湯は出る |
給湯器本体
作動しない |
・様々な可能性あり | ー |
リモコン電源
つかない |
・コンセント抜け
・停電 ・落雷 ・リモコン・配線異常 ・給湯器の部品故障 ・業者のミス |
点検が必要
(異常) |
リモコン液晶
つかない |
・節電モード
・リモコン・配線異常 |
点検が必要
(異常) |
※特異な原因を除いては、各給湯器メーカーの確認ポイントは共通です。
お湯は出るケース
給湯器やリモコンが作動しないにもかかわらず「お湯が出る」=「異常の可能性が限りなく高い」ということになります。
給湯器本体
作動しない |
給湯器が動かないなら「お湯が出ない」が正常 |
リモコン電源
つかない |
リモコン電源がOFF状態だと「お湯が出ない」が正常 |
リモコン液晶
つかない |
お湯が出ている時は、「リモコン液晶は表示する」が正常 |
お湯が出る場合は、給湯器側・リモコン側・中間の配線など、考えられる可能性は様々ですが、専門家でなければ原因の特定や対処は難しいため、業者による点検・修理の相談が必要です。
給湯器本体が作動しない(お湯が出ない)ケース
リモコンに異常がない、あるいはリモコンがない状況で、給湯器本体が動かない(点火しない)場合は、原因は多数考えられます。
故障以外にも、ガスの供給が止まっている、水が止まっている・詰まっている、凍結しているなど、可能性は多岐にわたります。
リモコンの電源がつかない(お湯が出ない)ケース
リモコンは給湯器本体から電源を取っています。
そのため、リモコンの電源・液晶・ランプなど、一切何もつかない場合は、「給湯器本体」「リモコン本体」「リモコン配線」の故障や異常が考えられます。
リモコンの電源をOFFにしていないか?
まずは、リモコンの運転スイッチが入っているか切れているか確認しましょう。
電源コンセントが抜けていないか?
給湯器本体下の電源プラグ(コンセント)が抜けていると、給湯器もリモコンも動きません。
外の給湯器の電源プラグが知らない間に抜けていた、というケースが時々見られます。
自身では抜いたつもりがなくても、点検に来た業者が抜いたままだったり、いたずらにより抜かれていたという場合もありますので、一度確認をしてみてください。
停電していないか?
停電している給湯器もリモコンも作動しません。電気(ブレーカー)などを確認してみてください。
落雷がなかったか?
異常気象で落雷による給湯器被害も増えてきています。
落雷で給湯器の安全装置が働いている場合、電源コンセントの抜き差しで復活する場合があります。(※時計設定などはリセットされます)
但し、落雷で電装基板などが故障している場合は、修理が必要になります。火災保険が適用されるかなどもあわせて確認してみましょう。
リモコン本体や配線の不具合
給湯器とリモコンをつなぐ配線が切れたり、腐食したりしていると、給湯器もリモコンも動きません。
リモコンが2つ以上ある場合は、もう一つのリモコンを確認してください。片方が正常に動いていれば、配線かリモコン単体の故障が疑われます。
両方のリモコンが動かない場合は、給湯器側の故障の可能性も高くなります。
設置時の施工ミス
最初から電源も何も入らない状態であれば、業者の施工ミスの可能性もあります。
新築、機器交換後、点検や修理直後であれば、担当業者に連絡し確認してみましょう。
給湯器の部品故障
給湯器側の電装基板などが故障していると、給湯器が機能しない状態となります。
使用年数が長い場合は、寿命故障の可能性もあります。
給湯器のリモコン液晶だけがつかない(お湯が出ない)ケース
リモコンの液晶だけつかない症状は、大きく2パターンあります。
節電モードになっていないか?
節電(セーブ)モードとは、お湯がしばらく使われていないとき、リモコンの消費電力を抑えるために液晶だけが自動でOFFになる機能です。
機種や設定状況にもよりますが、10~25分程度で液晶の表示が消えることが多いです。(※運転ランプは点灯している状態です)
お湯が出ない状況であっても、念のために確認してみましょう。
節電モードの場合は、リモコンのスイッチを操作すれば液晶が再び表示されます。
他のリモコンの液晶はついているか?
節電(セーブ)モードを除き、運転ランプがついていて、液晶だけが消えている場合は故障の可能性が高いです。
- リモコン本体の液晶回路の故障
- 給湯器の電装基板の異常
- リモコンの配線異常
リモコンが2つ以上ある場合は、両方のリモコンの状態を確認してみてください。
一方だけが表示しない場合は、そちらのリモコンや配線の問題と絞り込めます。
点検依頼は必要ですが、スムーズな修理につながります。
給湯器がつかない場合、使用年数も確認しよう
「給湯器がつかない」原因については、非常に多くの可能性があります。
ただ、使用年数が長い場合は、給湯器やリモコンの故障に加え、リモコン配線の腐食や断線などの可能性も高くなってきます。
給湯器の寿命や交換の目安は10年です。
使用10年を越えてくると、交換部品(リモコン)がなく、まだまだ使える給湯器本体も一式交換が必要になるケースも少なくありません。
給湯器とリモコンには互換性があるものしか組み合わせることができないため、それがなくなれば「修理不能で寿命を迎える」ことになります。
まずは、自分でできるセルフチェックをしてみて、それでも解決できない場合はプロに相談してみることをおすすめします。
以上、給湯器やリモコンの電源がつかない原因と対処方法をご紹介いたしました。
各項目を確認の上、給湯器の故障が疑われる場合は、メーカーやガス会社、賃貸の場合は管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。
文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)
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