ガスコンロの「寿命と交換時期の実態」と主婦に聞く「長寿命の秘訣」

ガスコンロの寿命と交換時期

毎日使うガスコンロも汚れや劣化が目立ってくると、気になってくるのが「ガスコンロの寿命」です。

これまで、ガスコンロの販売や技術アドバイザーとして、少なくとも数千人~1万人程度のユーザーさんの声を聞いてきました。

その大半は主婦の方々であり、毎日ガスコンロを使って料理をしている「主婦の経験値と生の声」から学ぶことはとても多かったです。

一方、「販売側がアナウンスする交換時期」と「使用者側が期待する寿命年数」では、そもそも論点が違うこともあり、年数や考え方の違いがあるのが実態です。

今回は、これまでの経験を総合的にかみ砕いて、まとめていこうと思います。

1.販売店(現場)目線のガスコンロの交換時期

ガスコンロの交換時期

ガスコンロの展示会(ガス展)や販売店に行くと、「ガスコンロ何年お使いですか?」「10年が交換の目安ですよ」という声をよく聞きます。

私も接客の際には、必ず質問してきたフレーズのひとつですが、「使用年数」はそれだけ重要ということです。

販売店でも交換時期の目安を「10年以内」と考える人もいれば、「7~10年程度」と考える人もいます。中には、「現場を見ないと答えようがない」という人もいます。

現場を見ていない場合

ガス展会場や店舗、コール受付などでは、「ユーザーさん宅のガスコンロ」を見ていない状況です。

そのような場合、現場を見ずに回答する場合は、一般的な回答しかできません。その場合、「10年以内」「7~10年程度」を目安に考えるケースが圧倒的に多いです。

これは、様々な知見や経験を基に答えています。いわば、平均的な考え方というべきでしょうか。

ユーザーさんから見れば、「7~10年」は短いと感じる方がほとんどであり、それは販売側もよくわかっているのですが、「安全に使っていただく」ためには、「10年以内を目安としてください」としか答えられません。

少なくとも、使用状況を確認せずに「10年以上OK」と答えることは、まずないと思います。

現場を点検して判断する場合

サービスマン,ガスコンロ,点検サービスマンがお伺いして、使用状況確認や点火試験などを行い、その上で問題が見られなければ、使用10年以上でも、「キレイに使われているので、まだ使ってもらって大丈夫ですよ」と答える場合もあります。

逆に使用6~7年でも、全くお手入れされておらず、使用頻度も高く、バーナーなどもボロボロの場合は、「もう買い替えたほうがいいですよ」と答える場合もあります。

つまり、「何年で交換とは決まっていない」ということであり、様々な経験や知見も踏まえて、平均的に「約10年」と考えていると思ってください。

あとは、現場のガスコンロの状態を見て、都度判断していくしかありません。

2.「修理部品の供給」で考える寿命や交換時期

次に、ガスコンロが故障したときの「修理部品」に着目して、「寿命」や「交換時期」の目安を考えてみましょう。

まず、ガスコンロが故障すると、多くの場合は、部品交換が必要になります。

部品があれば修理することは可能ですが、部品が製造打切りになり、メーカー在庫もなくなれば、物理的に修理は不可能となり、選択肢は買い替えしかありません。

補修用性能部品とは

ガスコンロでもガス給湯器でも「補修用性能部品の保有期間」というものが決められています。

補修用性能部品とは
製品の性能を維持するための部品

補修用性能部品の保有期間

  • ガス給湯器:製造打切後10年
  • ガスコンロ:製造打切後5年(6年などの場合もある)

ガス器具に少し詳しい方なら、「補修用性能部品」についてはご存知の方もいますが、ガスコンロの年数も「10年」と思っている方が多いです。

しかし、ガスコンロは約5~6年とかなり短いのが現実です。

5~6年で買い替えが必要ということ?

私の経験上でも、大抵の部品は、5年でなくなることはほとんどありませんが、購入してすぐ売り止めになれば、5~6年で修理不能となるケースも現実的には考えられるということです。

例えば、コンセプトが特殊なガスコンロで、その機種にしか使われていない部品の場合、2018年に購入し、2019年に製造中止になれば、2024年で部品はなくなることになります。

そして、2025年に故障が発生した場合、部品がなければ、修理不可能で買い替えしかなくなるわけです。

ですが、ガスコンロの場合、多くの機種と部品を共通化していることが多く、ご購入された機種が2019年に製造中止になっても、他の機種で2024年まで使用されていれば、+5年の2029年までは部品は存在することになります。

ただ、補修用部品の保有期間の短さを見てわかるように、メーカー側は少なくとも15年や20年という長期使用は推奨していないことが間接的にわかります。

3.ユーザーさんの使用年数と生の声

主婦の皆さんも、ご近所さんに「ガスコンロの寿命何年でした?」という質問はあまりしないと思いますし、情報収集するにしても限界があります。

つまり、「ガスコンロの寿命」については、自宅のガスコンロでの知見しかありません。

一方、私は展示会場やイベント会場、ショールームやコール対応など、様々な声を聞いてきたので、イメージだけでも参考にしてみてください。

約5~6年以内の使用

  • 新しいガスコンロはやっぱりいいわね
  • 買い替え?まだ買い替えたばかりです。見てるだけ!

さすがに使用期間が5~6年にも満たない場合、新しいガスコンロに興味はあるも、買い替えという発想は少ないです。

一方で、使用5~6年でも、魅力を感じて買い替えをした方が一定数いるのも事実です。

約7~9年使用

  • 新しいコンロを見ると買い替えたいけど、10年目になったら考えるわ
  • まだ調子よく使えているから、もう少し調子が悪くなったら検討するわ
  • 調子は悪いけれど、まだ火はついているから壊れたら買い替えするわ

「最低でも10年は使いたい」「異常がないうちはもう少し使いたい」と、買い替え意識は高くなってきているが、あと2~3年は使いたいという意見が多いです。

一方で、7~9年前のガスコンロとは、「お手入れ性」や「機能」など、比べものにならないぐらい進化しているので、実物を見てしまうと、魅力を感じて買い替えを決断されるユーザーさんがかなり多いのも事実です。

約10~11年使用

  • 約10年使っているので、そろそろ新しいコンロを検討したい
  • まだ調子がいいので、もう1~2年は使いたい
  • 今年は我慢して、来年に検討するわ

10年を過ぎると、全体的に買い替え意識はかなり高くなります。

但し、決断ポイントとしては、「調子よく使えている」or「火のつきなどが悪くなってきている」が分かれ目になっていると感じています。

「10年使った」+「調子が悪い」=自分を納得させて買い替え決断できる

「10年使った」+「調子がいい」=まだもったいない、もう少しだけ使いたい

ですが、調子が悪い時点で、「不安全な状態になっている」ということです。さらに10年使っている場合は点検を受けて使用しなければ、事故に繋がるリスクも高くなってきます。

約12~13年使用

  • そそろそ買い替えなければいけない
  • 調子はいいけれど、買い替え検討をしている

12~13年使用している場合、買い替えへの抵抗も少なくなり、あとは予算や気になるガスコンロがあるかどうかです。

一方で、この時期で、「まだ調子がいいから壊れたら買い替える」「まだもったいない」と思われている場合は、15年~20年と、「もう少し、もう少し」の繰り返しとなり、結果、壊れるまでなかなか買い替えの決断ができなくなりがちです。

約15年~20年以上

実際に15年~20年、中には30年使っているという声もありましたが、共通して聞こえてくる声は「まだ壊れていない」「壊れたら買い替える」という声が圧倒的に増えます。

15年を越えている場合、「寿命が来る前に買い替え」という選択肢は激減する傾向にあり、次の買い替え時期は「完全に寿命で故障した時」となりがちです。

点検を受けながら使っているならいいのですが、点検も受けずに長期間使用の場合は、「すぐに点検」、あるいは「買い替え」をおすすめします。

20年以降は、さすがに「すぐに買い替えてください」とお願いするしかありません。

ユーザーさんが期待する寿命年数

様々な声を聞いてきた中で、10年以内で納得されるユーザーさんは少ないです。

「10年+2~3年」使用できて、寿命を迎えた場合であれば、「仕方ないかな」という声も増えてきます。

もちろん、「15年~20年」は壊れてもらったら困るという声もあります。

4.寿命と交換時期はそもそも違う

そもそもガスコンロに限らず、寿命に決まった年数はありません。長い場合もあれば短い場合もあります。

寿命について

人の場合でも、毎日の「生活習慣」「健康意識」「メンテナンス」など、体にケアを続けるほうが、「寿命が長くなる」可能性が高くなります。

つまり、皆まではいいませんが、ガスコンロも日々の「お掃除」や「メンテナンス」を怠ると、寿命は短くなる可能性があり、お手入れが行き届いていると、寿命が長くなる可能性が高くなります。

つまり、「寿命年数」はご家庭によって違うということです。

キレイに大事に使っている場合は、寿命は長くなる可能性が高くなり、結果、「大きな故障もなく、点検を受けながら20年使われた」事例もあり、その場合の寿命は「20年」という結果論になります。

 

交換時期について

ですが、「寿命年数=安全に使える年数」では決してありません。あくまでも交換時期の目安は「約10年程度」です。

メーカーや販売側がアナウンスしているのは、「ユーザーさんに安全に使っていただくためのガスコンロの交換時期」ということです。

 

寿命と交換時期の違い

ユーザーさん側が気にするのは、「いつまで動くか?つまり、ガスコンロの寿命」です。

一方で、メーカーや販売側が気にするのは、「安全に使っていただく!つまり、寿命を迎える前の交換時期」です。

このように、そもそも論点がズレているので、寿命や交換時期の「年数」に大きな差が生じているのです。

5.主婦の声で実感した「ガスコンロを長く使う」秘訣

ガスコンロと主婦ガスコンロの場合、最も多いのが「部分故障」です。

・ガスコンロバーナーは絶好調なのにグリルが壊れた

・強火(片方)だけ、火がつかなくなった

集中して使用している部分ほど、劣化も早く、かなり早い段階で寿命がくるケースもあります。

使用頻度が他のご家庭よりも多い場合は、当然、寿命も早くなります。

そんな中、故障も少なく、長期間ガスコンロ使っている主婦の声には、「できるだけバーナーを使い分けている」「掃除はきっちりしている」など、日々の小さなケアが伺えます。

そして、特にお手入れが重要なポイントだと感じています。

長く使用している人のお決まりフレーズ

ガスコンロ、何年お使いですか?

13年、15年、18年、etc…

この年数を答えられた後に、もう何度聞いたかわからない「お決まりフレーズ」があります。

「キレイにピカピカに使っているから、全く故障しないわよ!」

  • サービスマンの点検時に「ピカピカ」で褒められた
  • 15年使っているのに、キレイすぎて、買い替えはまだもったいないと言われた

共通して言えるのは、「お手入れがきっちりされている」ということです。

そして、点検もきっちり受けられているということが、「買い替えせずに安全に長期間使い続ける」秘訣であると、実体験を基に教わりました。

特に「コンロバーナ」と「グリル」のお手入れは、寿命に大きく関わってくる箇所でもあるので、お手入れは定期的(できれば都度)行いましょう。

ガスコンロバーナーの掃除

グリル庫内の掃除

油汚れなどを放置すると、バーナー詰まりの原因にもなるので、少しでも長く使用するために、今よりも少しだけでもいいので、「ケア」の意識を高めてみてはいかがでしょうか。