2020年5月28日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
ノーリツやリンナイなどのガス給湯器において、給湯や暖房を使用していないはずなのに、給湯器が勝手に動くという声があります。
故障や異常ではないかと心配になってしまいますが、これらは故障でないことが多いです。
給湯器が自動で動く理由
実は給湯器が勝手に動くケースはいくつかあります。
1.凍結予防運転で勝手に動く
冬場になると給湯器や配管が凍結破損を予防するために「凍結予防運転」をすることがあります。
メーカーによって様々ですが、リモコンに「雪マーク」や「雪だるまマーク」が表示されたことはないでしょうか?
凍結予防運転にはいくつかパターンがあります。
- 凍結予防ヒーター運転
- ふろ凍結予防運転(おいだき機能付の風呂給湯器)
- 暖房凍結予防運転(暖房機能付の風呂給湯器)
給湯器内には凍結予防ヒーターが組み込まれており、給湯器内の配管凍結を予防してくれます。
また、おいだき配管はふろポンプで循環させて凍結を予防します。
そして、暖房配管は暖房ポンプで循環させて燃焼させるのが一般的です。(設定により燃焼の有無は異なる)
つまり、冬場などの寒い時期に「給湯器が勝手に動く」のは基本的に正常であり、給湯器が破損するのを守ってくれています。
余計な電気・ガス代がかかってしまう、音が気になる、という方もいらっしゃいますが、給湯器が壊れるリスクを低減させるために必要な動作なのです。
2.定期自動運転で勝手に動く
では、冬場以外の寒くない時期に勝手に動く可能性はあるのでしょうか?
メーカーや型式によって異なりますが、給湯暖房機(暖房機能付き風呂給湯器)の場合は約1ヶ月に1回暖房ポンプを数分間回す機種もあります。
これは暖房システムの回路をケアするための配慮運転なので異常ではありません。
頻繁に動くモードではないので、定期的に勝手に動く場合は別の可能性を考えるべきでしょう。
いずれにしても、凍結予防も含めて給湯器は勝手に動く事があり、そのほとんどは正常であるケースが多いです。
異常が疑われる場合の確認項目
基本的には故障でないことが多いですが、必ずしも故障ではないとも言い切れません。
明らかに異常な状態であればメーカーやガス会社に連絡をしてください。
その際に以下の内容がわかると判断材料のプラスになるので是非チェックしてみてください。
- 凍結予防運転ではないかの確認(外気温やリモコンの表示確認)
- 勝手に動く頻度や時間帯の確認
- 他の誰かが使用していないかを念のため確認
- 給湯器の修理や設置後すぐであれば、業者に確認(施工や修理時の不備など)
また、給湯器の使用後に音などが気になるケースであれば、しばらくポンプやファンが回っていることもあり、これも正常な運転です。(機種や設定により異なりますが数十秒~数分程度です。)
点検や修理が必要かどうかを判断する材料にもなりますので、状況はできるだけ詳細に伝えることをおすすめします。
以上、給湯器が勝手に動き出す原因と確認方法をご紹介いたしました。
各項目を確認の上、勝手に動き出す原因が分からず故障が疑われる場合は、メーカーやガス会社、賃貸の場合は管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。
文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)
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