給湯器の専門家が解説!エコジョーズの中和器の役割と交換費用の注意

リンナイやノーリツなど、高効率給湯器「エコジョーズ」の「中和器」のギモンは意外に多い。そこで、エコジョーズに詳しくない人でも理解できるように中和器の基礎知識や豆知識をたった7分で要点紹介!経験豊富な給湯器の専門家目線で解説をいたします。

この記事はこんな人におすすめ
我が家のエコジョーズは1台目である、中和器の基礎や役割を知りたい、中和器の交換や費用について知りたい、中和器の掃除や洗浄について知りたい、中和器の寿命について知りたい、中和器に関連するエラー(290、920、930)が出た人など

中和器の役割・基礎知識

中和器が搭載されている機種

リンナイ、ノーリツ、パロマ、パーパス、東京ガス、大阪ガスなど、給湯器のブランドは多々ありますが、「エコジョーズ」であれば全ての機種に部品として組み込まれています。

中和器の役割

エコジョーズは高効率な給湯器であるため、機器の特性上「ドレン」が発生し、運転状態や季節にも影響されますが、毎分60~100cc程度の「ドレン水」が排出されます。「ドレンレス(ドレンの発生なし)」で高効率化が実現すれば画期的なのですが、耐久性を考慮すると「ドレン」の発生は避けれないのが現実です。

つまり、今までの給湯器では必要なかった「ドレン」の処理が必要になるというわけです。

エコジョーズには、排気からの熱を回収するための「二次熱交換器」が搭載されていて、酸性のドレン水(水蒸気から水に凝縮される)が発生するので、中和して機器外に排出する必要があり、そこで活躍するのが「中和器」というわけです。この中和器には「炭酸カルシウム」がたくさん入っており、酸性水を中和する役割を果たします。

「pH3 程度のドレン水(酸性)」が発生 → 中和器内の炭酸カルシウムで中和 → 「pH7程度の中性水」として機器外へ排水

pH3とは、身近なものでいえば「レモン水」程度と考えてください。

中和器の詰まり・掃除・寿命のギモン

いざ設置してしまえば、通常は中和器を気にする必要性はありません。エコジョーズの「中和器」はエラーがでない限り、特に意識する必要がないのです。ただし、エラーが出たときは戸惑うこともあると思います。

中和器のエラー3つを解説

中和器のエラーとしては、

  • 中和器が詰まるとエラー290
  • 中和器の寿命が近づくとエラー920
  • 中和器が寿命を迎えるとエラー930

の大きく3つがあります。

エラー290(中和器の詰まり)

「290」は詰まりのエラーなので、「普段から掃除が必要では?」と思われますが、掃除は不要です。掃除できるのが好ましいですが、機器内部の部品なので、ユーザーさんは触ってはいけません。

実使用上では、ドレン水以外にも排気口から入った雨水なども中和器を通って排出されますから、決して汚れないわけではありません。

また、中和器の詰まり(エラー290)は、設置環境に大きく左右される傾向にあります。黄砂などが多い地域では排気口から流入したり、水質によっては藻や微生物などの影響が受けないとも言い切れません。こればかりは、海の近くでは「塩害」があるように詰まりやすさもご家庭によってバラバラなのはある意味仕方ありません。(※当然、様々なケースを配慮して設計はされています)

そして、結果的に仮に水が流れなくなるほど汚れや詰まりが蓄積してしまった場合は、「エラー290」が出るので点検が必要となります。このときは自分での対処は考えずメーカーや専門業者に依頼をしてください。

稀に自分で掃除や交換をしようとする方もいるようですが、決して触ってはいけません。怪我や故障、二次被害の原因となるおそれがあります。

エラー920、930(中和器の寿命)

中和器内部の炭酸カルシウムの量は機種によって決まっており、使用頻度が高ければそれだけ炭酸カルシウムの中和能力も低下していきます。基本的にはどの機種も10年以上で設計をされていますが、7~8年で寿命のエラーがでる場合もあります。

中和器の交換時期や費用のギモン

エラーが出ると中和器のメンテナンスや交換が必要になる場合もあり、それに伴い費用も発生します。中和器の交換費用は業者によって変化するので決まった値段はありませんが、ネットでいくつか見ている限り、「出張費+作業費用+部品代」で1.5万円~3万円弱など幅も広いです。

但し、仮に同じ機種で同じ使用年数でネットに「私は1万5千円でした!」と書き込みがあっても、結果的には「2万円」になることだってあります。あくまでネット情報は参考にすぎません。確実なのは直接依頼したいメーカーや業者に確認するのが一番です。

私の感覚では、1万5千円~2万5千円ぐらいのイメージです。但し、お使いの「1.機種」「2.設置場所」「3.依頼業者の価格設定」「4.業者の作業スキル」で値段が安くなることもあれば高くなることもあるのが「修理」や「部品交換」です。

1.中和器は機種によって部品代が違う

一概に「エコジョーズの中和器」といっても、「給湯専用機」「ふろ給湯器」「給湯暖房機」で搭載されている中和器は異なります。もっと細かく言えば、型式によって「中和器の形状」「炭酸カルシウムの量」「部品価格」は全て異なります。

給湯専用機と給湯暖房機を比較すると、機種によっては炭酸カルシウムの搭載量が約1kgほど違う場合もあります。量が増えれば部品代も高くなるのです。

2.中和器の取付構造の違いでも作業時間が変わる

中和器の修理や交換といっても、電装基板を含めていくつか部品を外していかなければ中和器は取り外せません。そして、機種によって中和器の外しやすさは異なり、当然作業時間も変わってきます。ここでも値段の差が出てきます。

3.設置場所で作業時間が変わる

給湯器が1階の庭についている場合と、2階以上の作業がしにくい高所設置の場合、作業時間は大きく変わります。作業がしにくい場所ではビス1本外すのも慎重でなくてはいけません。ここでも値段の差が出てきます。

4.業者の料金体系で金額が変わる

基本的には作業時間に比例して技術料設定をしている会社が多い印象ですが、値段の設定は様々です。出張費も3千円前後ぐらいが相場だと思いますが、5千円と設定している会社もあるようです。事前に確認するのがポイントです。

5.業者の作業スキルでも作業時間は変わる

わざとゆっくり作業するサービスマンはいないとは思いますが、部品の外し方なども含めサービスマンのスキルに差があるのは仕方ありません。同じ業者でも差はあることでしょう。大きく差はないと思いますが、多少の差時間差は出てくると思います。

 

つまり、エコジョーズの中和器交換といえど、実際の金額は大きく差が出てくると思います。業者も現場に行ってみないとわからないこともあるので、「●●円です!」とは言い切れません。ただ、「だいたい●×円~×●円ぐらいです」まで聞き出せれば安心感はでるでしょう。

また、交換ではなく、掃除だけで対応する場合も結局部品を外して、掃除をして、また組付けないといけないので、新品部品に交換するよりも作業工数は増えます。業者によっては「掃除する」分だけ手間が増えるので、部品代はかからなくても「作業費用」が高くなる場合も考えられます。

エコジョーズの中和器のまとめ

既に購入されている方も、これから購入される方も、「エコジョーズ」って省エネでお得だけど「中和器の修理代が増えるのでは?」と思われる方もおそらくいるでしょう。

ただ、これから給湯器は「エコジョーズ」が標準的になっていかないと環境問題はますます深刻化していきます。

仮に全ての家庭がエコジョーズになっても追いつかないのです。だからこそ「エコ」や「環境」を意識することは大事だと思っています。

もし、仮に私のエコジョーズが早い段階で中和器詰まりの「290エラー」が出ると少々損した気分にもなるのは否めないでしょう。

ただし、「寿命の920、930エラー」は安全に使う意味では一つのお知らせサインと考えています。

エラーが出なければそのまま長く使われるユーザーさんもいますが、10年以上相当の運転をしている証拠でもあるので、点検の目安と考えればよいと思います。