2020年5月31日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
ガス給湯器には、水量サーボという出湯量を調節する部品が組み込まれています。
この記事では、給湯器の重要な部品の一つである水量サーボの仕組みと、異常が発生した場合の対処方法をご紹介いたします。
水量サーボの役割とは?
ガス給湯器には、以前は「自動水量制御装置」という部品も使われていましたが、現在は高性能の「水量サーボ」が主流となっています。(一部、自動水量制御装置タイプが残っています。)
- 自動水量制御装置…入水温に応じて最大出湯量を調節する装置(流量が一定であるため、給湯器の号数通りの出湯量を出せないことがある)
- 水量サーボ…設定湯温と入水温に対して、能力いっぱいの出湯量を調節する装置
※給湯器の号数は、数字が大きくなるほど一度に作れるお湯の量が増えていきます。
同じ号数やシリーズでも、自動水量制御装置に比べて水量サーボ搭載機種の方は5,000円~10,000円程度の定価アップにはなりますが、売れ筋は「水量サーボ搭載機種」になります。
機器交換の時は、値段だけ見るのではなく、カタログの機能や性能の表記を見逃さないようにしてください。
値段だけで飛びついてしまうと、性能ダウンになる可能性もあるので要注意です。
水量サーボの故障や異常
水量サーボの異常(エラーあり)
給湯器には、水量サーボの異常を示すエラー「651」が表示される場合があります。
エラーが発生した場合は基本的にサービスマンの診断が必要となります。
診断の結果水量サーボの故障となった場合は、交換が必要となるケースが比較的高いと思います。
また、場合によっては電装基板やハーネス関係も交換が必要になる場合もあります。
故障の仕方によっては、連鎖的に部品故障するケースもあるので、早めに異常を察知できるかもポイントになってきます。
水量サーボの異常や故障の前兆(エラーなし)
水量サーボが完全に故障していなくても、何らかの異常を抱えながら動いているケースもあります。
エラーは出てはいなくても、以下のような事象や変化を感じた場合は、異常や壊れかけの可能性があります。
- 給湯の水栓(蛇口)を全開にしても流量が少ない→水量サーボが全開になっていない可能性
- お湯の出湯量が安定しない→水量サーボに異常が発生している可能性
- 給湯温度が上がらない→水量サーボに異常が発生している可能性
水量サーボはあくまで可能性の一つですが、その他部品を含めて故障の前兆かもしれません。
部品の経年劣化に注意
使用期間が8~10年以上の場合は、給湯器の経年劣化(寿命が近い)なども考えられます。
特に、給湯器の寿命は10年と言われており、故障発生率は10年を越えてくると急激に上昇しますので、長期間使用している給湯器であれば、機器の寿命の可能性もあります。
水量サーボだけでなく、電装基板やその他部品などの劣化も否定できないので、湯量・温度・音などで異常を感じ始めたら、給湯器は動いていても劣化が進行している可能性も否定できません。
突然の故障で、急な買い替え検討に迫られて高い買い物をしないようにも、お湯が出ているうちに検討しておくほうが安心できます。
使用年数が長い場合は、通常故障に加えて部品の経年劣化が影響している可能性も高いので、改善の気配がみられない場合は機器の交換も含めて専門家に相談するようにしましょう。
文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)
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