2020年5月27日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
ガス給湯器で追い焚きしても「お湯がぬるい」「温度が上がらない」「お湯が温まらない」、「保温中なのに熱くない」と感じるケースがあります。
仕様通りで正常な場合もあれば、掃除不足や部品故障が原因で異常な状態になっている場合もあります。
この記事では、状況ごとに解決ポイントをご紹介いたします。
目次
お風呂がぬるい場合
入浴時にお風呂のお湯がぬるいと感じた場合、給湯器の故障を疑うのも一つですが、実は正常な場合もあります。
修理依頼をして仕様通りだった場合は、「出張費」と「点検費」が丸々無駄になりますので、事前に確認してみましょう。
保温中のよくある認識間違い
お風呂の沸かし方は大きく2パターンあります。
- 空の浴槽に自動湯はりをして保温モードにしておくパターン
- 残り湯を追い焚きで沸かして保温モードにしておくパターン
いずれの場合でも、皆さんがお風呂に入るときは、湯はりや追い焚き後の保温モードの状態がほとんどかと思います。
そして、誤解をされている方も多いのですが、必ずしも保温中お湯の温度=リモコンの設定温度というわけではありません。
仮にリモコンのふろ温度が「42℃」設定でも、入浴のタイミングによっては「ぬるくなっている」場合があります。
理由は、保温といっても常に沸かし続けているわけではなく、冷めては沸かし、冷めては沸かしを繰り返しているのです。
メーカーの設計思想で制御は異なりますが、10~30分ごとにお湯の温度をチェックして、冷めていれば設定温度まで沸かし直す仕様になっているのです。
追い焚きが30分サイクルの機種の場合、極論を言えば、前回の自動追い焚き後から29分で入浴した場合、29分間は放熱し続けて、温度が下がっている状況です。
浴槽の保温性、浴室の断熱性、季節、蓋のありなしなどで、放熱ロスは大きく異なります。
全自動(フルオート)タイプであれば、人が入浴すると入浴検知機能で沸かし直しをしてくれますが、自動(オート)タイプの場合は、沸かし直しのタイミングを待つか、手動で追い焚きをする必要があります。
ただし、追い焚きをした直後もぬるいままであれば、他の要因を疑う必要があります。
追い焚きしても暖まらない(温度が上がらない)場合
お湯の温度はどうしても体感差が出てきますが、追い焚き直後なのに、
- ぬるい
- 暖まらない
- 温度が上がらない
このような場合は異常を疑う必要が出てきます。
そこで、まずはリモコンの温度を確認し、少し設定温度を上げてみて熱くなるかどうかを確認してみてください。これでも温度に変化がなければ異常の可能性が極めて高くなります。
循環アダプターのフィルター詰まりで温度異常
お風呂の浴槽の循環アダプター(金具)のフィルターは定期的に掃除が必要です。
給湯器を使う上で、この部分の掃除は定期的に行わなくては、温度異常を引き起こしたり、本来の能力がでなくなったり、給湯器の寿命を縮めるリスクも出てきます。
掃除不足は、「追い焚きがぬるくなる」以外にもデメリットも出てくる可能性があります。
- おいだきの温度が熱くなる
- 湯はり・おいだき異常やエラーコード発生
- ふろポンプへの負荷が高くなり、故障に繋がる
- 不衛生
掃除をしたら、正しくフィルターをセットし、再操作で温度が正常に戻るかどうかを確認してみてください。
給湯器の故障や異常
循環アダプターのフィルター掃除をしても改善しなかった場合は、給湯器は動いているが不調であると考えられます。
給湯器の使用年数に注意
蛇口やシャワーのお湯も同じですが、給湯器が動いていればお湯は出てきます。
使用年数が短い場合は、使い方や掃除、部品の単発故障などが原因と考えられます。
一方、使用年数が長い場合は、給湯器に経年劣化による不調が出始めている可能性もあり、お湯が熱くなったり、ぬるくなったりと不安定な状態になることがあります。
追い焚き運転についても経年劣化が不調の原因の可能性があります。
給湯器の寿命は10年と言われており、故障発生率は10年を越えてくると急激に上昇しますので、長期間使用している給湯器であれば、機器の寿命の可能性もあります。
使用年数が長い場合は、通常故障に加えて部品の経年劣化が影響している可能性も高いので、改善の気配がみられない場合は専門家に相談するようにしましょう。
以上、給湯器の追い焚きしてもお湯がぬるい原因と確認方法をご紹介いたしました。
各項目を確認の上、経年劣化などで給湯器の故障が疑われる場合は、メーカーやガス会社、賃貸の場合は管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。
文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)
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