2020年4月18日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
ガス給湯器のエラーコード 173 は、暖房機能付きのガス給湯器(給湯暖房機)特有のエラーです。
暖房とは、ガス給湯器のお湯を使って温める「床暖房」や「浴室暖房機」などをいいます。
暖房配管は給湯器~家の中を通っており、暖房温水は給湯器と家の中を循環しています。
『暖房のリモコンのスイッチON ⇒ 給湯器でお湯を作る ⇒ 暖房配管を通って温水が屋内の暖房端末機へ送られる ⇒ 温水が給湯器に戻ってくる』
といういうように循環しています。
そしてエラー173は、このシステムのどこかで少量の水漏れが発生している可能性があると場合に表示されるエラーコードになります。
目次
メーカー別 給湯器のエラー173の内容
ノーリツのエラー173
- 症状・内容:暖房回路漏水検知
- 診断・対処:暖房配管の点検が必要
リンナイのエラー173
- 症状・内容:暖房水微小漏れ
- 診断・対処:給湯器や暖房配管の漏れを確認する
パロマのエラー173
- 症状・内容:暖房回路漏水検知(少量)
- 診断・対処:暖房配管の確認
パーパスのエラー173
- 症状・内容:暖房回路漏水異常(少量)
- 診断・対処:修理対応
東京ガスや大阪ガスのエラー173
東京ガス、大阪ガスなどは、複数メーカーの給湯器を採用し、ガス会社ブランドとして販売しているので、基本的に各製造メーカーのエラー内容によって異なります。
給湯器「173」の対処手順と注意点
基本的にエラー173が表示された場合は、水漏れの可能性が疑われます。
まずは、給湯器の下や配管周辺が濡れていないかを目視できる範囲で確認します。
水漏れがあれば、自分で対処ができないので、すぐに修理の相談をしてください。
一方、目に見える水漏れが確認できなかった場合、屋内側での漏水、あるいは誤検知の可能性も出てきます。
誤検知で点検費用を払うのも、利用者側としては避けたいところです。
そこで、まずはエラーリセットをして、誤検知の可能性を探ってみましょう。
リモコンリセット方法
- 暖房端末リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 給湯器のリモコンの運転スイッチも「切」にする
- 給湯器のリモコンの運転スイッチを「入」にする
- 暖房の運転スイッチを「入」にする
再度エラー「173」が出た場合は、水漏れや空気混入など、何らかの原因が残存していることになります。(※機種によっては、リセットでエラーが消せない場合もあります。)
状況が変わらない場合、もう一つ試せるのは「給湯器のコンセントリセット」です。
コンセントリセット方法
方法は、給湯器下の電源プラグを抜き差しするだけです。
これは強制リセットですが、システムエラーなどが原因の場合は有効です。(※水漏れが原因の場合は効果がありません)
リモコンの時計表示などは初期化されるのでご注意ください。
給湯器のエラー173が消えない場合
リセットも試して消えない場合は、原因の特定をして対処しなければ暖房が使用できません。
利用者側でこれ以上できることはないので、メーカーなどに相談をしてください。
給湯器のエラー173が消えた場合
リセット操作をして、エラー173が消えた場合、暖房の利用は可能となります。
ただし、173エラーは微小漏れであり、状況やタイミングによってはエラーが一時的に出ないケースも考えられます。
そして、屋内などで少しずつ水漏れ被害が拡大しているケースも考えられます。
これらは、各ご家庭ごとに状況を確認して個別に判断するしかないので、念のためにメーカーに相談をおすすめします。
メーカーのアドバイザーが、状況を聞いた上で問題ないと判断すれば、「そのまま使って大丈夫です!」と回答することもあります。
「水漏れしているかも?」と考えて対処する
173エラーの暖房微小漏れは、実際に漏れていても箇所を特定するのが難しく、水漏れを発見したときには手遅れ、というケースもあります。
そのため、エラーが出た場合は、水漏れの可能性があると考えて対応するようにしましょう。
水漏れの特徴として、次の4つのリスクがあります。
- 給湯器内の水漏れは、他の部品まで故障させるリスクがある
- 給湯器内の水漏れは、不完全燃焼の原因になる可能性がある
- 屋内の配管漏れは、天井や床下まで濡れてしまう
- マンションなどの水漏れは、階下に被害を拡大させる可能性がある
水漏れは早期発見と対処が基本です。自己判断を誤ってしまうと、被害が大きくなることがあります。
給湯器「173」の水漏れ以外の可能性
エラーが表示された場合でも、水漏れが原因ではないケースもあります。
新築や設置直後は、暖房配管内にエアー(空気)が残っていることが原因でエラーが表示される場合があります。
また、水落ち現象によるエアー(空気)混入なども考えられます。
このように何らかの原因で配管内に空気が入ると、空気分だけ水量が減ることになります。
すると、給湯器は水が不足しているので「水が漏れているかも!?」と勘違いしてエラー173を出すケースもあるということです。
ただ、専門家でなければ判断は難しいため、メーカーやガス会社等に相談することをおすすめします。
専門家であれば、エラーの事例も多く把握していますし、状況を説明すれば電話だけで解決することもあります。
何より安心につながりますので、 173エラーが発生したら最悪の事態を想定して、とりあえず相談をしておくことをおすすめします。
また、使用年数が8~10年以上の場合は経年劣化によるエラーの可能性もあるので、修理や点検に加え、機器交換の検討も選択肢のひとつだと思います。
以上、エラーコード173の内容と対処法をご紹介いたしました。
リセットを試しても効果が見られない場合は、ガス会社や専門の業者、賃貸の場合は管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。
文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)
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