2020年6月15日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ビルトインガスコンロなどの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
ガスコンロで調理中に「勝手に火が弱くなる」「自動で火が小さくなる」場合があります。
これは多くの場合、ガスコンロの「Siセンサー」が機能しているために起こる現象です。
この記事では、Siセンサーの機能や火力を落とさずに調理したい場合の対処法をご紹介いたします。
目次
Siセンサーの役割
油は約370℃で自然発火しますので、火を一切使わないIHクッキングヒーターであっても、約370℃の温度になれば発火してしまいます。
危険温度に到達する前に、火を消すか、火を小さくする必要があります。
そして、コンロが自動で過熱を防止するための機能がSiセンサーです。
ガスコンロの基本消火温度は約250℃
センサーの搭載は法的に決められており、各メーカーのガスコンロは、「約250℃」を超えると最終的に火を消す仕様になっています。
ですが、普通に調理をしていても、250℃に到達することはよくあります。
そして、この段階で「危ない!」と判断して火を消してしまうと、利便性が悪いため、多くのガスコ
ンロには「早切れ防止機能」というものが搭載されています。
ガスコンロの早切れ防止機能とは?
ガスコンロのセンサーは、温度が約250℃になると自動で火を弱くして、一旦温度の上昇を抑えます。
これが、コンロの火が勝手に「火が弱くなる」「火が小さくなる」状況です。
しばらくして、温度が下がってくると火は大きくなりますが、この後は「弱火⇔強火」を繰り返すことで約250℃をキープし、調理を続けられるようにします。
ただし、食材などが焦げるなど、一番弱火でも温度が上がり続ける状況になった場合は、危ないのでガスコンロは火を消します。
また、自動火力調整が30分間続いた場合も自動消火する仕様になっています。
高火力で調理したい場合の対処法
高温モードを使用する
早切れ防止機能があっても、炒め物などの高温調理の場合、すぐに250℃に到達することもありますよね。
火力調整をしようとしても、センサーが働いている間は調節できません。
そんなときは、高温モードを使ってみてください。
ガスコンロの機種によって高温モードの名称は違いますが、こんなスイッチがついてませんか?
- センサー解除
- 高温炒め
- あぶり高温炒め
これらのスイッチを3秒長押しすれば、約250℃の消火温度が「約290℃」になります。
以下の②が通常モード、①が高温モードの制御の仕組みです。
高温モードにならないよくあるミス
初めて使う方によくありがちなミスがあります。
それが「3秒長押し」です。
ボタンを押すと同時に→1・2・3とカウント
これでは、実は2秒しか押せていないことになります。正しくは、
ボタンを押すと同時に→0・1・2・3とカウント
これで、操作音が鳴って高温モードに突入します。(※火を消すとリセットされるので、都度設定が必要です)
鍋の変形や種類が原因で火力に影響が出る場合
センサーはお鍋の底の温度をチェックしています。
ですが、底が変形したお鍋を使っている場合、温度を正確認測定できずに「火を小さくするタイミング」が早くなったり遅くなったりする可能性があります。
これは、利便性も安全性もマイナスに働くので、この機会に鍋底の確認をしてみてください。
また、土鍋などの熱伝導の悪い鍋を使っている場合、お鍋の中は低温なのに鍋底は高温となり、調理不十分な状態で弱火になる場合もあります。
お鍋の状況によっては、火が弱くなりやすい症状の改善も期待できます。
各機種の取扱説明書には、お鍋の種類の推奨・非推奨も書かれているので、一度目を通して見て下さい。
ガスコンロの故障の場合
基本的には安全機能の作動が原因ですが、長期間使用しているガスコンロであれば、機器の経年劣化による寿命や故障の可能性もあります。
機器内部に入り込んだ煮こぼれなどが影響したり、回路の配線やコネクタに異常が生じたりして、火力異常を起こす事例もあります。
この場合は、機器分解が必要なので自身では対応はできませんので、プロのサービスマンの点検や掃除、部品交換が必要となります。
使用年数が長いほど、火力トラブルは起こりがちです。
使用が10年近い場合は経年劣化による不調が他にも隠れているかもしれませんので、修理が必要な場合は、ガスコンロの交換も検討してみることをおすすめします。
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