給湯器や配管の「水漏れ被害」を拡大させない!水漏れ対応ポイント7選

給湯器の水漏れ




2020年5月28日|最新情報更新しました

この記事の監修
竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種丙種ガス主任技術者の資格も保有している。

 

ガス給湯器や配管の水漏れの相談や質問は決して少ないとは言えません。

この記事では、水漏れの原因や対処方法についてご紹介いたします。

(1)水漏れのリスクや危険性

給湯器や配管の水漏れで一番怖いのが二次被害です。

水漏れは時間が経つほど被害も修理費用も増えていくリスクが高くなっていきます。

給湯器内部の水漏れ

給湯器が庭や外壁などに設置されている上で、「給湯器下の配管接続部分の漏れ」の場合はまだリスクも低いですが、水漏れの場所が給湯器内部の上の方であれば、それより下にある部品にも水がかかり、あらゆる部品の連鎖故障に繋がるおそれがあります。

電装基板などはカバーもされていますが、漏れる場所や量によっては故障に繋がり、部品代だけでも相当高くつく可能性もあります。

そして、給湯器内部で漏れている状態で使用すると、不完全燃焼を起こして危険な状態になる可能性もあるため、給湯器内部で漏れている時は、電源をOFFにして使用を中止してください。

また、屋内設置タイプであれば自宅の床などはもちろん、マンションであれば階下への被害拡大も心配されます。

給湯器外部の配管の水漏れ

配管は給湯器下の接続部分から屋内へとのびています。外の部分であればまだ被害は少ないかもしれませんが、屋内(配管が見えない部分)で水漏れしている場合は天井や床、マンションであれば階下への被害拡大も考えられます。

(2)給湯器水漏れの応急処置

水漏れ(故障)の場合、一番の応急処置は修理相談の電話をすることです。

修理代がもったいないので、まずは自分でなんとかしようとするユーザーさんも多いですが、「二次被害による修理代の割増し」の方が最終的な費用が大きくなります。

水漏れは1分、1秒、…時間が経つにつれて被害エリアが拡大していくのは言うまでもありません。

まずは最低限の状況を把握して、修理依頼の電話をする(状況を伝えて指示をもらう)

  • 給湯器は使わない(電源を切っておく)
  • 可能であれば、給水栓(バルブ)を閉めておく
  • 漏れ箇所の下にバケツなどを置く(ぬれると困る状況の場合)
  • 自分で応急処置をしようとしない(余計に症状がひどくなる可能性がある)

上記の点を心がけて対処するようにしましょう。

(3)給湯器水漏れの修理代

仮に給湯器内部の配管接続部のパッキン(Oリング)などの劣化だけが原因で、二次被害もなければ5~6千円程度ですむ場合もあります。

パッキン(Oリング)の部品代は数十円~数百円程度なので、出張費+作業費+わずかな部品代で済むケースもあります。

しかし、修理が高額になるケースも多々考えられます。

  • 給湯器内での水漏れ二次被害による「部品代+作業費」の追加
  • 熱交換器から水漏れ
  • 配管に穴があいていた場合の修復費用
  • 配管が見えない部分(屋内)で水漏れしていた場合は、作業費の大幅アップ(原因特定の工数も含む)

また、給湯器本体以外の部分でも、被害が拡大した分だけ修復費用がかかってきます。いずれにしても数万円レベルの修理代になるケースが考えられます。

業者によっては基本料金などの設定もあるかもしれませんが、水漏れ状況は様々なので、あまり鵜呑みにしないほうがよいでしょう。

業者も現場を見てみないことには見積りができません。

(4)水漏れの場所と量の確認

水漏れの発生箇所はとても重要です。

給湯器内部の水漏れの場合:給湯器のメーカー、ガス会社、給湯器のメンテナンス専門の会社などに相談するのが解決につながりやすくなります。

外部の配管の水漏れの場合:給湯器の部品は関係ない部分ですから、水回り専門の業者などで柔軟に対応できる場合もあります。

また、水漏れの場所によっては、正常なケースもあります。

給湯器の下の過圧防止安全装置(水抜き栓)があり、機器内に高い圧力が生じた場合に「過圧防止安全装置のはたらき」によって逃し弁から水滴が落ちる場合があります。

漏れの量にもよりますが、正常な可能性場合が多い内容です。(屋内設置の場合は相談が必要となってきます)

長期間使用していない時にも起こりやすく、この事象かどうかの見極めは大事かもしれません。

漏れの状況によって業者の対応速度も変わる

水漏れは給湯器のシステム内(給湯器~浴室・洗面・キッチン)のどこで発生するかわかりません。

過圧防止安全装置による水滴以外は、基本的に異常な水漏れと考えるほうがよいでしょう。

そして、漏れの場所によって緊急性も大きく変わりますので、修理相談をする場合においても対応の内容が大きく変わってきます。

特に深夜などであれば、すぐにでも出動すべきレベルなのか、明日の朝でも大丈夫なレベルなのか、業者の対応も変わってきますので、水漏れの場所、量、状況を把握して正確に伝えることがポイントです。

(5)その他の確認事項

給湯器にエラーが出ているか

「給湯器 水漏れ」に関するエラーは2種類あります。エラーがでているかもポイントの一つになります。

  • 173エラー:微小の水漏れ
  • 543エラー:大量の水漏れ

水漏れが目視で確認できる場合はすぐに修理依頼をしてください。

給湯器のお湯が出るか

お湯が出ない場合にも水漏れを疑ってしまうかと思いますが、他の原因も考えられます。

ただし、水漏れを目視で確認していて、さらにお湯も出ない時は重症の可能性もあります。

直ちに使用はストップしてメーカーや専門業者に修理依頼をしてください。

給湯器の経年劣化の可能性

ガス給湯器を7~8年以上使用している状態での水漏れは、給湯器の「経年劣化」の可能性もあります。

特に、給湯器の寿命は10年と言われており、故障発生率は10年を越えてくると急激に上昇しますので、長期間使用している給湯器であれば、機器の寿命の可能性もあります。

場合によっては修理か交換の選択が必要になるかもしれませんが、水漏れでの場合は修理で応急処置をするしかないケースが多いです。

水漏れの場合は、業者への連絡を優先

様々な水漏れのパターンをご紹介しましたが、その原因は多数考えられます。

  • 配管の凍結破損(冬季)
  • パッキン(Oリング)の劣化、噛みこみ、損傷
  • 水質などが影響して配管にピンホール(穴あき)
  • 部品や配管の腐食
  • 経年劣化(長期使用)による損傷で水漏れ
  • 循環アダプターの設置不良による漏水

そのため、専門家でなければ診断が難しかったり、対応ができないケースが多くなります。

急な水漏れが発生してしまった場合は、下記の点を留意の上で対応して下さい。

  • 水漏れは二次被害が怖い
  • 屋内側(漏れ箇所が見えない部分)の水漏れは特に注意
  • 自分で対策しようとしない
  • 夜でもまずは電話で相談をする
  • どうしても応急処置が気になる場合は、業者に電話をしながらアドバイスをもらう
  • どうしても修理代の目安を聞きたい場合は、できるだけ詳細に状況を把握して業者に伝えること

 

以上、給湯器や配管の水漏れ発生時の対応方法をご紹介いたしました。

二次被害を抑えるためにも、水漏れが発生した場合は専門の業者、賃貸マンション・アパートなどの場合は大家さんや管理会社への連絡を優先するようにしましょう。

 

文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)


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