2020年5月25日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
給湯器から出るシャワーやキッチン、洗面のお湯が設定や、いつもの温度より熱い場合、「給湯器の故障?」と感じてしまうこともあります。
特にシャワーの場合は、お湯の温度には敏感になりがちで、少しの変化でも熱く感じてしまいます。
ですが、実際に給湯器が壊れている場合もあれば、水栓や使い方、使用状況の問題である場合もあります。
目次
給湯器以外の原因でお湯が熱い場合
リモコンの温度設定の問題
給湯器リモコンの設定温度は、家中共通ですが、台所リモコンと浴室リモコンの2つあるご家庭は要注意です。
実は、給湯器のリモコンは台所と浴室で、それぞれ設定した温度を記憶しています。
給湯温度の優先権
台所リモコンで43℃に設定→台所でONした場合は「43℃表示」
浴室リモコンで41℃に設定→浴室でONした場合や優先ONにした場合は「41℃表示」
もし、41℃でシャワーを浴びている時に、誰かが台所でOFF→ONすれば、台所に優先権が移動し、「43℃」に切り替わります。
シャワーを浴びている人からすれば、急にお湯が熱くなるということです。
お湯が熱いと感じたときは、まずはリモコンの優先状況とリモコンの温度確認、ご家族に温度を触らなかったかなどを確認してみてください。
お湯の量(流量)が原因の場合
水栓でお湯(水)の出す量を絞ると、お湯の温度が熱くなる場合があります。
また、他の場所(キッチンや洗面)で同時使用をした場合、流量が落ちて、お湯が熱くなるケースもあります。シャワーに限らず、湯量を絞るときは注意が必要です。
シャワーを浴びていて、急に湯量が減った時などに熱くなるのは正常なケースが多いです。
根本的に湯量が少ない、安定しない場合などは、水栓や配管、水圧などのチェック(業者対応)が必要かもしれません。
給湯器が原因でお湯が熱い場合
ガス栓や給水元栓
給湯器の故障ではありませんが、給湯器下のガス栓や給水元栓が全開になっていない場合、給湯温度に影響する場合があります。
基本的に使用者が触るところではありませんが、実際に外部の誰かが触っていたケースなどもあります。
夏季にお湯が熱いと感じる
夏季の水温が高い場合は、設定温度以上のお湯が出る場合があります。
給湯器は設定温度までお湯を温めるために、バーナーで燃焼します。
しかし、給湯器は燃焼を最小限に制御しても、一定数の温度上昇はしてしまうため、設定温度を超えてしまうことがあるのです。
給湯器の経年劣化や故障
使用期間が長くて、「お湯の温度が熱い」事象は、経年劣化の可能性が高くなります。
経年劣化とは、いわば寿命の前に様々な「給湯器の不調」が出てくる状態です。
代表的な経年劣化のサインには、「音が大きくなってきた」「異音がする」「お湯の温度が安定しない」「なかなかお湯にならない」「エラーが何度も出る」などがあります。
そして、お湯の温度が熱くなるのもその一つです。
特に給湯器の寿命は10年と言われており、故障発生率は10年を越えてくると急激に上昇しますので、長期間使用している給湯器であれば、機器の寿命の可能性もあります。
原因が経年劣化なのか、別の原因なのかは、診断してみなければわかりませんが、使用状況に問題がない場合は、劣化や故障の可能性が高くなってきます。
使用年数が10年近い場合は、全くお湯が出なくなった場合を想定し、「修理」か「交換」の選択肢を事前にもっておくことも重要です。
給湯器が動かかなくなり、お湯が出なくなる日は、突然やってきます。
「お湯がぬるいお湯の温度が熱い」事象で故障や劣化が考えられる場合は、その一歩手前段階の可能性もあるので、サインを見逃さずに最悪の事態を想定して準備や検討をしておいてください。
以上、給湯器のお湯の温度が設定より熱くなる場合の原因と対策をご紹介いたしました。
各項目を確認の上、経年劣化などで給湯器の故障が疑われる場合は、メーカーやガス会社、賃貸の場合は管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。
文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)
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