2020年4月4日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
この記事では、賃貸マンションやアパートで給湯器のトラブルが発生したときの最適な対処方法や解決までの流れを解説します。
どこに何を連絡すればよいのか、修理や交換費用は誰が払うのか、お湯が出ない間の補償やお風呂はどうなるのかなど、損をしないために是非読んでおいてください。
目次
賃貸給湯器の交換費用や修理代は誰が支払う?
給湯器のリモコンにエラーコードが出ている場合などは自分で解決できる場合もありますが、直らなかったときは給湯器の点検・修理・交換のいずれかが必要になってきます。
これらは費用がかかるため、どうしても金銭的な負担が発生します。
特にお湯が出ない時は緊急事態で冷静な判断ができずに、慌てて地域の販売店や水道業者などに電話してしまうと、費用の請求書も依頼者である入居者さんに渡されることになります。
賃貸物件の設備は、あくまでもオーナー(管理会社・大家さん)の所有物です。
自身に過失があったり、入居時の契約書で決め事がある場合は別ですが、基本的には入居者さんは家賃を払って一時的に借りているだけなので、修理や交換費用は管理会社や大家さんが支払うのが一般的です。
自分で修理手配をしてしまうと、後々、費用のことで管理会社や大家さんとモメる原因にもなるので、注意が必要です。
賃貸の給湯器故障時の連絡先と解決までの流れ
賃貸で給湯器の修理が必要な場合、全体的な流れ(メーカー対応の場合)は次のようになります。
- 賃貸入居者さん⇒オーナー(管理会社・大家さん)⇒メーカーのコールセンター(受付)⇒メーカーのサービスマン⇒入居者さんと立会い日程調整⇒修理⇒費用請求(メーカーからオーナーへ)
では、具体的にすべきことを確認していきましょう。
1)給湯器のトラブル状況を整理する
今、給湯器にどのようなトラブルが発生しているのかは、入居者さんしかわからない状態です。
修理を行うためには、メーカーのサービスマンが詳細状況を把握する必要がありますが、先ほど紹介した全体の流れでわかるように、入居者さん⇒オーナー⇒メーカー受付⇒サービスマンへと「伝言ゲーム」状態になります。
給湯器のスムーズな解決の秘訣は「詳しい事前情報」にあり、入居者さんはできるだけ詳しく状況を伝えることをおすすめします。
事前情報が曖昧ですと、現場で一から診断をする必要があり、交換部品の手配などの関係で再訪問になる可能性もあります。
そうなると、再度立会いが必要となったりお湯が使えない期間が長引いたりと、結果的に自分が損する形になります。
そこで、次の内容は確認をしておきましょう。
- 故障が発生した日時
- 給湯器のメーカー、型式、製造番号
- 給湯器の故障内容や症状(発生状況、エラーコードの有無、水漏れの有無、リモコンが表示しないなど)
- あなたの過失(使い方の問題)はあるかどうか
- 修理の場合、在宅(立ち会い)可能な日時
2)管理会社や大家さんへ連絡する
賃貸入居者さんは、まずは管理会社や大家さんに連絡し、先ほど整理したトラブル情報を伝えます。
自身の過失もなく、特異な契約事もなければ、後の修理依頼は任せればOKです。
早ければ当日~数日内に立会い日程調整の電話がくると思います。
連絡先がわからない場合(参考)
- まずは入居時の契約書などを確認してみる
- 管理人さんがいれば聞いてみる
- マンションのエントランスの掲示板などをチェックしてみる
- 契約した仲介の不動産屋さんに聞いてみる
- ネットでマンション情報から検索する
3)日程調整の上、立会いをする
修理や交換の際には、基本的には立会いが必要です。
そして、通常は入居者さんがサービスマンに費用を払う必要はありません。
メーカーや業者への依頼者は、あくまでも管理会社や大家さんなので、後日に管理会社(大家さん)に請求書が送られます。
立会いが入居者さんだけの場合は、念のために「何が原因だったのか?」「どういう処置をしたのか?」「費用の請求先はどこか?」といった点を確認しておくとよいでしょう。
賃貸の給湯器故障でお湯が出ない時の補償
これは人それぞれ考え方が違うと思いますが、大家さんや管理会社、メーカーなどに補償を要望されるケースもゼロではありません。
例えば、
- お湯が出ない期間の銭湯代を補償してほしい
- お湯が出ない上に水漏れしている家になんて住めない!ホテル代を補償してほしい
上記のように、「故障が起きなければ発生しなかった費用を補償して欲しい」という考え方です。
通常は、契約書にトラブル時の補償について書かれている場合が多いので、契約書の内容を確認する必要があります。
また、大家さんや管理会社によって考え方も異なります。
ただし、『給湯器の故障』といっても、パターンは複数あります。
- 通常の単発的な部品故障
- 経年劣化による故障
- 自然災害による故障
- 利用者(入居者)の掃除不足による故障
- メーカー側に問題がある故障
こればかりは、それぞれの契約内容やオーナー判断があるので、決まった答えはありません。
多くの場合は補償請求は難しいという印象ですし、請求金額に対しての交渉労力を考えると、あまりメリットがないようにも思えます。
仮に要望をする場合は、自身の使い方に過失がないか(取扱説明書の確認)、契約書に関連する記載はないかなどをよく確認した上で、「銭湯代は補償してもらのでしょうか?」と、角の立たないように確認するようにしましょう。
賃貸トラブル発生時は管理会社や大家さんに連絡
このように賃貸のトラブルは、まずは管理会社や大家さんに連絡するのが基本です。
給湯器以外のお部屋のトラブル発生時、例えば外で鍵をなくした場合などは、連絡先を調べようにも家に入れないので、管理会社や大家さんの電話番号は事前に連絡先として登録しておくことをおすすめします。
以上、賃貸での給湯器故障時の対応手順をご紹介いたしました。
賃貸でのトラブル発生時は、まずは落ち着いて管理会社や大家さんに連絡するようにしましょう。
文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)
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