【冬の凍結防止】元給湯器メーカーのアドバイザーが教える凍結対策

凍結でお湯が出ない

ガス給湯器の凍結、配管凍結は、冬場の中でも圧倒的に1月~2月にかけて急増します。

2018年1月には、凍結の話題でネットでも騒然としていましたが、メーカーのコールセンターの電話も相談で鳴り止みませんでした。

給湯器の開発や修理窓口~技術アドバイザーまで対応していた経験と、実際にユーザーさんに行っていた給湯器の「凍結防止」「凍結対策」などのアドバイスも、まとめて紹介していきます。

凍結破損は有償修理が基本

給湯器の修理代

給湯器や配管が「凍結」をすれば、解消されるまで「お湯が出ない」状態が続くので、なんとしても避けたいところです。

ですが、「凍結破損」が発生した場合、私たちユーザーに直結してくるのが、「修理代」と「修理完了までお湯が出ない」という、より大きなデメリットが待ち受けています。

凍結破損の場合、「メーカー保証期間内でも有償修理」となり、余計な出費が発生します。状況によって修理代は様々ですが、基本的に数万円レベルと認識しておくほうがよいでしょう。

また、被害が大きい場合、修理に時間がかかり、お湯が出ない状態も長引きます。

そして「凍結破損」するぐらいの寒い時期に、お湯が出ない生活など、イメージするだけでも寒く凍えそうになります。

だからこそ、冬場の凍結は、「凍結してからの対処」ではなく、「凍結する前の予防対策」が重要なのです。

凍結は起こる前提で事前に予防対策

冬の配管凍結

1.凍結予防ヒーター運転

給湯器にはサーミスタ―(温度計)が搭載されていて、外気温が低く、凍結リスクが出てくると、自動的に給湯器内部の「凍結予防ヒーター」が作動します。電源プラグを抜くと作動しないので、寒いときは電源プラグは抜かないようにしましょう。

2.お風呂の自動ポンプ運転

自動湯はり(おいだき機能付)タイプの場合、浴槽にお湯(残り湯でOK)を入れておけば、凍結予防運転が働き、お湯をグルグル循環させて、凍結リスクを低減してくれます。(浴槽の残り湯が、循環アダプター(金具)より5cm以上、上にある状態にしておく)

3.給湯器外の配管は保温材を巻く

凍結は、外気にさらされている(風が当たりやすい)箇所で起こりやすく、給水配管・給湯配管・給水元栓などは、給湯器のヒーターでは予防できません。

保温材を巻いたり、給湯器下の配管がむき出しの場合は、配管カバーなどを設置するだけで、リスクを低減することが可能です。

配管の保温

ノーリツ 凍結予防

配管の凍結を予防するために、給湯機器の配管に保温材を巻くなど地域に応じた配管保護の処置をお勧めいたします。
保温材が設置されていても、傷んでいないかご確認ください。傷んでいる場合は本格的な寒さを迎える前に交換をお勧めいたします。
日中も氷点下が続く地域の場合は電気ヒーターの取り付けもご検討ください。

保温材・電気ヒーターの取り付けは販売店・工事店さまへご依頼ください。

出典:冬季の凍結、積雪による給湯機器の破損・故障にご注意ください。(ノーリツ)

「市販の筒状のスポンジ(配管の長さに合わせる)」+「ビニールテープ」などでOKですが、分からない場合は、メーカーや販売店にアドバイスを求めるとよいでしょう。

4.水のちょろちょろ出し

寒い夜~朝にかけては、凍結リスクはかなり高まります。ヒーターだけでは対策としては不十分であり、「水のちょろちょろ出し」がリスクを低減してくれます。

また、給湯器だけでなく、給水配管、給湯配管、給水元栓なども同時に凍結予防対策になります。

ノーリツの凍結予防のアナウンス

ノーリツ,給湯器,凍結予防低温注意報が発令されたときや、冷え込みが厳しいときは、給水および給湯配管や給水元栓の凍結を防ぐため以下の通水の処置をしてください。機器だけでなく、給水・給湯配管、給水元栓なども同時に凍結予防できます。

<1> 運転スイッチを「切」にする。
<2> ガス栓を閉める。(石油給湯機の場合はオイルタンクの送油バルブを閉める)

※ガス給湯暖房用熱源機をご使用の場合で、不凍液をご使用でない場合は、ガス栓を開いたままにしておいてください。自動的に暖房運転(燃焼)し、暖房回路の水を温め、凍結を予防します。

詳しくはお使いの機種の取扱説明書をご覧ください。

<3> おふろの給湯栓を開いて、少量の水(1分間に約400cc・・・太さ約4mm) を流したままにしておく。

※サーモスタット付混合水栓の場合は、最高温度の位置に設定してください。 念のため、約30分後に再度流れる量を確認してください。
※サーモスタット付混合水栓やシングルレバー混合水栓の場合は、やけど予防のため再使用時の温度設定にご注意ください。

出典:凍結による給湯機器の破損(故障)予防のお願い(ノーリツ)

リンナイの凍結予防のアナウンス

リンナイ,給湯器,凍結予防給湯栓から水を流す方法

【RUF-E2400AWの場合】
この場合は機器本体だけでなく、給水・給湯配管、バルブ類の凍結予防もできます。
ただし、ふろ側はポンプ運転により凍結を予防しますので、予防策その1同様、電源プラグをコンセントから抜かず、浴槽の循環金具(循環口)より5cm以上、上まで残り湯があることを確認してください。

■操作のしかた

・リモコンの運転スイッチを『切』にします。
・浴槽に排水栓をしてからおふろの給湯栓を開け、1分間に約400ミリリットルの水を浴槽に流しておいてください。
※この場合、浴槽から水があふれることがあります。
※サーモ付やワンレバーの混合水栓の場合は、設定を最高温度の位置にしてください。
※浴槽の近くに給湯栓がない場合は、シャワーホースを浴槽まで伸ばしてシャワー栓を開けてください。
※シャワーから水を流す場合、シャワーヘッドは浴槽にたまった水につからない位置に置いてください。

【ご注意】
●水量が不安定なことがあります。念のため、30分ぐらい後にもう一度水量をご確認ください。
●サーモ付やワンレバーの混合水栓の場合は、再使用時の設定温度にご注意ください。
※機種により方法が異なります。
詳しくは、お手持ちの機器取扱い説明書をご覧ください。

出典:予防策2 凍結予防ヒータと自動ポンプ運転による方法(リンナイ)

ノーリツとリンナイの凍結予防対策を見てわかるように、基本的には同じになります。つまり、一度やり方を覚えてしまえば、以降は毎冬の豆知識として活用することが可能です。

多くの人は、凍結して困ってから予防策を知ることが多いのですが、なんとか未然に伝えていくことが、メーカーや私たちのすべきことだと思います。

5.水抜きによる凍結防止

機器内の水を抜く方法もひとつの凍結予防対策です。

外気温が極端に低い場合など、凍結リスクが高い場合は、水抜きまで検討するほうがよいかもしれません。

方法については、機種(型式)によって、配管レイアウトなども異なり、手順もあるため、お使いの機種の取扱説明書をご覧ください。

凍結予防運転中は「凍結予防」「雪だるまマーク」「雪の結晶マーク」がリモコンに表示

リモコンによって、表示(マーク)や表示位置は異なりますが、「雪だるまマーク」「雪の結晶マーク」「凍結予防」の表示が出ている場合は、凍結予防の自動ポンプ運転中であり、かなり寒いことが伺えます。

ノーリツの給湯器リモコンの例

冬季は給湯機器本体の凍結を予防するために、ポンプが自動的に作動します。
一部のリモコンでは、凍結予防のポンプが作動しているときに以下赤丸雪の結晶のマークが
点灯します。

(リモコンRC-G001シリーズの場合)
※リモコンのシリーズにより表示位置はかわります。

ノーリツ給湯器の凍結予防運転

出典:リモコンに「*」のマークが点灯している(ノーリツ)

リンナイの給湯器リモコンの例

自動ポンプ運転を開始すると、各リモコンの表示画面に浴室リモコンは「」表示が、台所・増設リモコンには「凍結予防」表示が出ます。

リンナイ給湯器の凍結予防運転

出典:予防策1 凍結予防ヒータと自動ポンプ運転による方法

給湯器のサーミスタ(温度計)が寒いと感知しているお知らせでもあり、こんな日の夜~朝にかけては、特に「凍結予防対策」を徹底しておくほうがいいですね。

凍結破損した時の「出費」と「お湯が出ない生活」をイメージしよう

凍結破損による影響度

一部繰り返しにはなりますが、凍結破損で給湯器が故障すると、修理代の出費はかなり大きいです。

最悪のケースで、給湯器が故障してしまった場合、「給湯器本体の費用」+「工事代」まで膨れ上がります。

さらに、寒い時期は給湯器業者も繁忙期で忙しく、「設置現場調査~見積り~機器手配~設置工事~試運転」まで、数日~数週間かかるケースも稀ではありません。

1日でもお湯が出ない生活が耐えられない時期に、長期間お湯が出ないなど、生活そのものに支障が生じます。

冬場にお湯は絶対必要

給湯器や配管が凍結して、お湯が出なくなった場合でも、お風呂だけはどうしても入りたいものです。

皆さん、何とかお風呂に入ろうとして、いろんな案を試されていました。

  • ガスコンロで何度もお湯を沸かして、お風呂に使う
  • 電気ケトルや電気ポットで何度もお湯を沸かして、お風呂に使う
  • 諦めて銭湯やスーパー銭湯に行く

方法はいろいろですが、凍結以外にも一般故障やエラー、災害などでお湯が出なくるケースは多々あります。そんな緊急時に使えるアイテムもあったほうがいいかもしれません。

給湯器が凍結や故障した時にお風呂に入る緊急用アイテム

浴槽に沈めて、湯沸し・保温が出来る「湯かし太郎」という便利アイテムなども販売されています。

このアイテムの場合、30℃~45℃の範囲で設定できるようですが、水から沸かす場合は8時間以上かかる(※水温や環境により異なる)ようなので、緊急時は、ガスコンロでの湯沸かしや電気ケトルなどの合わせ技がよいのでは?と感じています。

業務用、美容・健康、災害時など、複数の用途で使用ができるので、このようなアイテムをひとつ揃えておくのも大事かもしれません。

給湯器が凍結してしまった場合の対処

冬の寒さが厳しい場合、凍結予防をしても、凍結してしまう可能性もゼロではありません。

もしも凍結してしまった場合は、お湯が出なくなります。対処としては、自然解凍を待つのが基本ですが、緊急対応などはいくつか方法があり、次の記事にまとめています。(凍結以外のお湯が出ない内容とセットです)

お湯が出ない、水は出る 「お湯が出ない!水は出る?」給湯器専門家が回答【凍結と年間対策】

給湯器の交換が必要な場合(参考)

給湯器 おすすめ業者 元メーカー社員が考える「給湯器業者の選び方」と「口コミの考え方」 給湯器交換の見積り プロ直筆!給湯器交換のコツと本体価格・工事費用・値段の相場【保存版】

凍結すると、様々なリスクやデメリットが出てきます。これまで数えきれないぐらいの「凍結の悲痛な声」を聞いてきたからこそ、多少の手間がかかっても未然の防止対策をすることをおすすめします。

給湯器 凍結防止のお役立ち関連情報

大阪ガス 凍結防止