2020年5月22日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
ガス給湯器でエラーコード 632 が表示された場合、ふろ循環不良、ふろ水流スイッチ異常によるエラーとなります。
目次
給湯器のエラー 632 の内容
ふろ水流スイッチが切り替えできない故障の可能性があります。
また、浴槽のお湯が循環アダプターより下の状態で、水やお湯ではなくエアーを吸い込んでいる可能性、循環アダプターのフィルターに詰まりが発生して循環不良を起こしている可能性なども考えられます。
対象のガス給湯器メーカー・ブランド
ノーリツ、リンナイ、パロマ、パーパス、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、長府製作所(chofu)、ハーマン、タカラスタンダード、ナショナル、ガスター(YUMEX)、日立(ハウステック)、TOTOなど
給湯器のエラー 632 の対処法
エラーコード632は、部品故障の可能性もありますが、使用状況によってはセルフチェックで解決する場合もあります。
浴槽にお水が少ない状態でおいだき運転
「おいだき」の際に循環アダプタより上までお湯がなければ、お湯を吸い込めないのでエラーにつながることがあります。
まずは循環アダプタとお湯(お水)の位置関係をチェックしてみましょう。
おいだきができる状態
このように循環アダプタの上までお湯があれば、浴槽のお湯を吸い込んで給湯器に戻して燃焼させ、熱くなったお湯を再び浴槽に戻します。このように設定温度になるまでグルグル循環させるのです。
おいだきできない状態
循環アダプタまでお湯(お水)が到達しないと、吸い込めるのはエアー(空気)だけになります。
浴槽栓がされていなければお湯がたまることはなく、一定時間で「032エラー」になりますが、排水栓が中途半端にしまっていると、中途半端に循環金具付近まで到達する可能性もあります。
その際にお湯を検知するもエアーも大量に吸い込むことで、632エラーに繋がる可能性も否定できません。
そして、お湯が循環金具より下の状態で、おいだきを押すと、循環できないためエラーになる場合もあります。
循環アダプターのフィルター詰まり
フィルターの掃除をしておらず、湯垢などで循環するお水の量が少なくなり、エラー発生することがあります。
掃除によるメンテナンスを行うことで、エラーが改善される可能性があります。
循環アダプターの表面
フィルターの表面の穴や側面を不要になった歯ブラシで掃除します。
循環アダプターの裏面
裏面も同様に内側側面や穴を歯ブラシで掃除します。
フィルターを外した状態(浴槽)
この本体は外れませんので、浴槽にセットされた状態でお手入れしてください。動かしたり回したりしないように注意しましょう。
循環アダプターの本体側も歯ブラシや布巾で掃除します。掃除が終わればフィルターをセットして完了です。
フィルターの穴は非常に細かく、掃除をしなければ次第に詰まりが発生します。
定期的なメンテナンスは必要ですので、エラーの有無にかかわらず、お風呂掃除の際に併せて掃除するようにしましょう。
※循環アダプターのデザインや形状などはメーカーや機種(購入時期)によっても異なります。
その他、下記のような状況でもエラーが発生する場合があります。
- 自動湯はりで浴槽栓忘れであれば、「032エラー」が発生しますが、中途半端に栓がされていて、少しずつ水位が上昇して循環アダプタ周辺までお湯がたまるも、その後なかなか水位が上昇せずに十分な循環量にならず、632エラーが発生する可能性。
- 循環アダプタより上までお湯(お水)がある状態でおいだきするも、浴槽栓を開けてしまったり、しっかり栓がされていなくて水位が下降してしまった場合などに632エラーが発生する可能性。
この2ケースは極論ですが、エラーは予期せぬ内容で発生することもあります。
通常ではなかなか考えにくいですが、複合要因で発生するケースもあるので、使用状況の確認はとても大切です。
632エラーは、使用状況を再度確認することで解決できる可能性があるエラーコードです。
まずは、エラー発生時の使用状況を振り返り、問題がなかったかを確認しましょう。
エラーコード 632 の解除について
項目のチェックが終了したら、一度運転リセットをして再発するかどうかを確認してみましょう。
エラーの解除(リセット)は、リモコンの運転「切」→「入」操作で可能です。
一時的に表示は消えますが、再度運転してエラーが再発する場合は、原因が残っていることになります。
このリセット操作で再発しなければ、故障ではなく、使用方法やお掃除の問題だった可能性が高いので、しばらく様子をみてみましょう。
エラーコードが解除できなかった場合
上記内容で解決しなかった場合、以下の内容などが考えられます。
- 湯はり回路部品の故障
- ふろポンプの故障
- 新築や機器交換直後であれば、施工不良の可能性
- 電装基板の故障
- おいだき配管の凍結の可能性
様々な可能性が考えられるため、対処法を実施してもエラーが改善されない場合は、メーカーのコールセンターのアドバイザーに相談するようにしましょう。
また、給湯器の故障発生率は10年を越えてくると急激に上昇しますので、長期間使用している給湯器であれば、機器の寿命の可能性もあります。
使用年数が10年近い場合などは、高額な修理代になった場合に「給湯器の交換」というのも視野にいれておいたほうがよいかもしれません。
以上、エラーコード632の原因と対処法をご紹介いたしました。
チェックの結果、故障の可能性があり修理や点検が必要になった場合は、メーカーやガス会社、賃貸の場合は管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。
文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)
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