2020年6月10日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
追い焚きとは、お風呂の浴槽の冷めたお湯を沸かし直す機能です。
この記事では、便利な追い炊き機能の仕組みについてご紹介いたします。
給湯器の追い焚き運転の仕組み
追い炊き機能の搭載された給湯器や風呂釜と浴槽は、2本のおいだき配管(往き・戻り)で繋がっており、浴槽のお湯を給湯器に戻して加熱して、再び浴槽に送り出します。
この動作を繰り返すことで、浴槽のお湯を沸き上げます。
風呂釜タイプは「お湯を沸かし直す」だけですが、ふろ給湯器タイプであれば、人が入浴すると自動で沸き上げしたり、湯量が減ると自動でたし湯してくれる便利な機種もあります。
また、気になる光熱費ですが、追い焚きは水道代の節約になります。
一方、給湯の熱効率や水温・水量などを考慮した場合は、ガス代が高くなる場合もあります。
各ご家庭での使用機種や使用環境も異なってくるため、一概にどちらがお得とは言い切れませんし、給湯器メーカーであっても見解が異なっている状態です。
追い焚き運転の条件
追い焚きが機能する条件として、浴槽の循環アダプター(金具)の上までお湯がある必要があります。
理由は、循環アダプターで冷めたお湯を吸い込み、給湯器に戻して加熱してあげる必要があるからです。
リモコンのおいだきスイッチを押すと、給湯器のポンプが回転して運転が開始されます。
戻り配管を通って浴槽のお湯が給湯器に戻ってくると、水の流れを検知する「ふろ水流スイッチ」がONします。
そして、戻ってきたお湯がリモコンの設定温度より低い場合、給湯器が燃焼してお湯を沸かし直して、往き配管を通して浴槽に送り出します。
この循環を繰り返すことで、少しずつ浴槽のお湯が熱くなっていき、設定温度まで沸き上げるという仕組みです。
追い焚き機能の後付けは難しい
追い焚き機能は、特に湯温の冷めやすい冬場に重宝します。
追い焚き機能の魅力を知ると、「今は追い焚き機能なしタイプだけど、追い焚き機能付きタイプに取り替えたい」と思われる方も少なくありませんが、結論としては難しい場合が多いです。
理由は、2本のおいだき配管を通すために、家の壁に穴をあけて浴槽まで増設するのが困難だからです。
中には配管経路が確保できる場合もありますが、やや大掛かりな工事は避けられないでしょう。
少なくとも、給湯器の単体取替えの場合は、電話の段階で断る業者も少なくないと思います。
妥当に検討するならば、新築やリフォームのタイミングです。
新築はシステムキッチンやシステムバスなど、大きな設備に目が行きがちですが、給湯器の選定がおろそかになると後で後悔するケースも少なくありません。
また、リフォームの場合は追い焚きタイプにグレードアップが可能な場合もありますが、事前の現場調査は欠かせません。
(※マンションは戸建てに比べて難易度が高い場合が多いです。)
給湯器はあまり目立たない設備ですが、毎日のお湯を作る重要な住宅設備ですので、追い焚きに限らず、よく検討して導入することをおすすめします。
追い焚きのデメリット
追い焚き機能の魅力を知っていながらも、あえて追い焚きなしにされる方もいます。
追い焚きは、お風呂の循環アダプターと2本の追い焚き配管が必須であるため、定期的な掃除が欠かせません。
循環アダプターのフィルターには湯垢や髪の毛が詰まりますし、追い焚き配管に至っては、定期的な配管洗浄が必要になってきます。
これらを放置すると、雑菌などが繁殖して不衛生な状態になってしまいます。
「追い焚きの魅力」よりも「掃除が面倒で不衛生」という考え方が勝ってしまうと、『追い焚きなし』という選択をされる方もいらっしゃいます。
また、入浴剤に制限が出てくるため、泡の出る入浴剤などを気にせず使いたい方も避ける場合があります。
デメリットを解消してくれる機能もある
最近では、オート(自動)タイプよりも少し高額な「フルオート(全自動)」タイプの給湯器も当たり前になってきており、配管の掃除や不衛生の悩みを軽減してくれます。
この全自動タイプは、浴槽の栓を抜いたときに自動で配管洗浄をしてくれる機能が搭載されています。
通常であれば、配管の中は、次の「湯はり」や「おいだき」運転時まで湯垢などが混じった状態で放置されることになります。
ですが、配管洗浄機能があれば浴槽栓を抜くタイミングで、配管内の古いお湯も浴槽に排水して、配管内をキレイな新しいお湯に入れ替えてくれます。
入浴剤も使用できるものもあるので、こだわりの入浴剤がある場合は使用できるかどうかを事前に確認しておくほうがよいでしょう。
また、配管洗浄機能については別の記事でも紹介していますので、参考にしてみて下さい。
追い焚きは、一度使うと非常に便利で重宝する機能ですので、追い焚き機能があるのにまだ使ったことがない方は、是非使ってみてください。
また、今後、追い焚き機能を導入したいと思っている方は、給湯器の販売店に現場調査をお願いしてみてはいかがでしょうか?
見積り(現場調査)は、無料で対応してくれる業者が多いので、お家で悩むよりもプロのアドバイスを聞いてみることをおすすめします。
以上、給湯器の追い焚き機能の仕組みをご紹介いたしました。
非常に便利な機能ですので、給湯器を導入する際には追い炊き機能付きの給湯器も検討してみて下さい。
コメントを残す