浴室乾燥機の乾燥・換気の電気代は高い?電気代とガス代をチェック

浴室乾燥機の電気代はいくら




2020年6月19日|最新情報更新しました

この記事の監修
竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
専門資格:ガス機器の設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種丙種ガス主任技術者の資格も保有している。

 

浴室乾燥機は便利だけど電気式は「電気代が高い」、ガス式は「ガス代が高い」というイメージで使わない人が多いです。一方で、一度使うと「浴室乾燥機を手放せない」という人も多いです。ここでは、浴室乾燥機の電気代・ガス代の実態はどうなのか?を徹底解説いたします。

電気式浴室乾燥機の電気代は4~6万円もかかる?

電気式の浴室乾燥機には大きく「100V仕様」と「200V仕様」があります。200Vの方が一般的に「高性能」となります。

電気 浴室乾燥機

今回はわかりやすく、電気式浴室乾燥機、ドラム式洗濯乾燥機、ガス式浴室暖房乾燥機を全てパナソニックさんで統一して比較していこうと思います。浴室乾燥機の電気代など、コスト面を中心に解説します。

電気式の浴室乾燥機(パナソニック)の電気代

■型式:FY-13UG7E(100V仕様)、消費電力1250W

・衣類乾燥時間 約2時間20分
・電気代 約79円

※電気料金:27円kWh(新電力料金目安単価)で計算 ※衣類乾燥条件:衣類3kg

 

■型式:FY-22UG7E(200V仕様)、消費電力2100W

・衣類乾燥時間 約2時間
・電気代 約114円

※電気料金:27円kWh(新電力料金目安単価)で計算 ※衣類乾燥条件:衣類3kg

ガス式に能力の近い「200V」仕様で「1日2時間」だけ運転した場合

・電気代/日 約114円
・電気代/月 約3,468円
・電気代/年 約41,610円

※電気料金:27円kWh(新電力料金目安単価)で計算 ※衣類乾燥条件:衣類3kg

浴室乾燥機の電気代:約114円×365日=約41,610円

電気式浴室乾燥機:1年間の電気代は最低でも4万円以上かかる試算

ただ、独自で使用者にヒアリング(他社製も含む)をする限り、2時間で乾くとは思えないとの声も多く、仕様を詳細に確認してみました。

電気式の仕様書や説明書を確認する限り、浴室サイズ、外気温、湿度、衣類の種類などで乾燥時間が大きく変わりそうです。(※100Vの場合は乾燥時間が約2時間20分~約4時間と倍近くの幅がとられていました。)

つまり、200Vの場合も2時間の運転では完全に乾かないケースがあると推測できるため、仮に3時間以上乾かしたとすると、

電気式浴室乾燥機:1年間の電気代は6万円以上かかってくる可能性がある

1ヶ月に5000円、1年で60,000円と考えると毎日使うには抵抗がありそうな金額です。しかし、これだけでは比較のしようがないので、同じパナソニック製のドラム式洗濯乾燥機でも試算してみました。

(参考)ドラム式洗濯乾燥機(パナソニック)の電気代

ドラム式洗濯乾燥機

■型式:NA-VX7800L(洗濯・脱水容量 10kg 乾燥容量 6kg)、乾燥時の消費電力850W

・衣類乾燥時間 約120分(仮)
・電気代 約46円

※電気料金:27円kWh(新電力料金目安単価)で計算

電気式浴室乾燥機と同じ2時間運転した場合

電気代/日 約46円
電気代/月 約1,400円
電気代/年 約16,790円

※電気料金:27円kWh(新電力料金目安単価)で計算

ドラム式の電気代:約46円×365日=約16,790円

ドラム式の方がかなり電気代を抑えることができる試算となりました。私はパナソニックの同じシリーズのドラム式を使っていますが、実使用においても、乾燥時間の120分は妥当な時間だと考えます。

電気式浴室乾燥機:ドラム式の約2.5~3.5倍の電気代がかかる可能性がある

衣類を乾かす観点だけでみるとドラム式洗濯乾燥機の方が確実にリーズナブルですが、シャツやデリケートな衣類はきちんとシワをのばして浴室乾燥機で乾燥させたいと思うので、実に悩ましい結果です。

ガス式浴室乾燥機は毎日使っても2万円程度?

ガス式の浴室乾燥機(パナソニック製)のガス代と電気代

パナソニックのガス式については東京ガスや大阪ガスなどの「ガス会社ブランド」であり、今回は私も現在使っている「東京ガス型式」で試算してみます。

ガス浴室暖房乾燥機

型式:ABD-4113ACSKJ3M(暖房能力:4.1kWタイプ)、自動乾燥消費電力:62.5W

衣類乾燥時間 70分
電気代 約2円
ガス代 約55円
電気代+ガス代 約57円

※電気料金:27円kWh(新電力料金目安単価)、ガス料金:135.49円/m3(家庭用高効率給湯器契約:2013年1月時点)で計算
※衣類乾燥条件:衣類4kg

ガス浴室乾燥機で乾燥率100%まで乾かした場合

ガス+電気代/日 約57円
ガス+電気代/月 約1,734円
ガス+電気代/年 約20,805円

※電気料金:27円kWh(新電力料金目安単価)、ガス料金:135.49円/m3(家庭用高効率給湯器契約:2013年1月時点)で計算
※衣類乾燥条件:衣類4kg

ガス浴室乾燥機のガス代+電気代:約57円×365日=約20,805円

ガス浴室乾燥機:ドラム式レベルのランニングコストである

また、ドラム式と比べて様々なメリットもある。

  1. Yシャツやデリケートな衣類もシワを伸ばして天日干しのように乾かせる
  2. 浴室乾燥を兼ねて衣類乾燥をすれば、お風呂のカビ対策にもつながる
  3. 衣類乾燥時間が短い
  4. 就寝時に乾かすならエコ乾燥使用で1日たったの「約24円」と経済的

エコ乾燥ではなく自動乾燥で毎日使っても、1年間で約20,000円、月々で約1,700円と使用のハードルは低いです。ガスも乾かし方や外気温なども多少は影響を受けますが電気式と比べるとかなり誤差は小さいと思います。そもそもが浴室1.5坪までカラカラに乾燥できるパワフルタイプなので、同機種での実使用においても時間がかかると感じたことは一度もありません。

浴室乾燥機 「ガス式」 VS 「電気式200V」の結果は

浴室乾燥機のガス・電気の比較

衣類乾燥のコスト、ガス式は電気式の半分!

ガス式 電気式(200V)
衣類乾燥時間 約70分 約120分
コスト/年 約20,805円 約41,610円

ガス式と電気式を比較すると、ガスのほうが半分のコストで抑えられる試算となりました。また、電気式は環境によって乾燥時間が大幅に長引くことも考慮すると、性能もコストもガスの圧勝です。

さらに、浴室乾燥機の役割でもある「お風呂のカビ対策」については、「浴室乾燥」が重要になってきます。この浴室乾燥で比較すると、想像以上の驚きの結果が出てきました。

浴室乾燥では電気式が8万円超え?

ガス式 電気式(200V)
浴室乾燥時間 約1時間30分 約6時間(仮)
コスト/日 約74円 約230円
コスト/年 約26,750円 約83,950円

※電気式の乾燥の定義:取扱説明書記載の目安の4~8時間の「中間の6時間(最初の2時間は換気)」で計算
※ガス式の定義:取扱説明書記載の目安の1時間20分~1時間40分の「中間の1時間30分」で計算

パナソニックのFY-22UG7Eについては、浴室乾燥を押しても最初の2時間は「換気(強)」で動きます。いきなり乾燥からスタートすると電気代がかかりすぎるからでしょう。(上記はあくまで参考です。電気代を節約して運転する方法は、各機種の取扱説明書のアドバイスを参照ください。)

私はガス式なので毎日浴室をカラカラに乾かしてカビ予防を行っていますが、電気式の年間8万円超えを見ると「電気式で浴室乾燥」は敬遠してしまうのも仕方ないかなという印象です。

「ガス」と「電気」、パナソニックさんに聞いてみた

浴室のリフォーム

実家のリフォームの参考に「ガス浴室乾燥機」と「電気浴室乾燥機」のポイントを聞いてみました。現在、私が使っているのがガス式ということもお伝えした上で、3点アドバイスをいただきました。

1.ガス温水式に比べて、電気式は暖房や乾燥をご使用いただいた時の電気代が10~20倍になってしまう可能性があります。

浴室乾燥機はやはり暖房や乾燥の電気代が懸念材料のようです。

 

2.ガス式は暖房能力が非常に高いため、ガス式を使われていたお客さまには電気式では温まり具合に満足されないことが多いです。

この内容を聞いて、改めてガス温水式の浴室暖房乾燥機の性能のすごさを感じました。

 

3.消費電力を考慮しない場合、ヒーター容量の大きい200Vタイプのほうが乾燥や暖房能力が高い製品でおすすめです。

コストは別として、電気式で性能重視なら「200V」が満足度が高いことが伺えます。浴室乾燥機で有名なMAX(マックス)の場合も速暖性・速乾性で「200Vタイプ」がおすすめのようです。浴室乾燥機は使うことを目的とするなら200Vがよさそうな印象です。

コストと相談しながら上手に使うコツ

浴室乾燥機は、最近は「衣類乾燥の需要」も増えてきていますが、パナソニックの正式名称は「浴室換気乾燥機」です。名前をみれば「浴室を乾燥する」「浴室を換気する」のも重要な役割ということです。

電気は高いという情報や固定観念を持っている人は、「浴室乾燥」はもちろんのこと、「浴室換気」さえも使っていないようです。これは非常にもったいない勘違いです。

また、「衣類乾燥」も決して安いとは言えませんが、上手に使えばコストを節約して使えるコツがあります。

浴室乾燥機の電気代とガス代

1.カビ予防に「換気」だけでも行って!

カビ予防を目的とした場合、「乾燥」がもっとも効果的なのですが、「換気」をするだけでもかなり違います。「電気式は高い=乾燥も換気も全て高い」と思われがちですが、実は電気式でも「換気」はかなりリーズナブルなのです。この「換気」さえも使わないのは本当にもったいないの一言です。入浴が最後の人が「換気スイッチ」を押す癖をつけるだけで、「カビ軽減に繋がる=お風呂のお掃除軽減に繋がる」と考えます。

電気式の浴室乾燥機の「換気(強)」運転は、パナソニックのFY-22UG7Eの場合、わずか34.5Wなので1時間で約1円程度になります。8時間換気しても1日で約8円、1年間で約2,920円です。

※電気料金:27円kWh(新電力料金目安単価)で計算

浴室のカビ予防は、いかに湿気や水分をなくすかがポイントです。自然に乾くのを待つよりは「換気」をするほうが早く乾きます。


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2.デリケートな衣類はまとめて「衣類乾燥」

電気式の場合、「衣類乾燥」も、決して安いコストではありませんでした。ですが、乾きにくい「梅雨・冬場…」、外に干したくない「花粉・黄砂・PM2.5…」、では何でもかんでもドラム式洗濯乾燥機に放り込みますか?ドラム式も優秀でふんわり乾きますが、Yシャツやデリケートな衣類はシワをのばして干して乾かしたくないですか?

電気式浴室乾燥機の仕様をみている限り、衣類の量が増えても大きく時間が変わる印象はありません。つまり、「2kgの衣類を2回に分けて乾燥」よりは、「4kgの衣類をまとめて1回で乾燥」の方が、時間もコストも軽減できると思います。

  • ドラム式乾燥機があるご家庭なら、「この衣類だけは浴室乾燥機で乾かす」
  • ドラム式乾燥機がないご家庭なら、「早く乾かしたい時だけ浴室乾燥機で乾かす」
  • 衣類はできるだけまとめて乾かすようにする

今は全く使っていない人も、いきなり毎日使うのではなく、各ご家庭で条件やルールを決めて、「電気の浴室乾燥機」を必要最低限の使用とすればどうでしょうか?そうすれば、ただの飾りではなく、有効に使用できるのではないでしょうか。そして、「ガスの浴室乾燥機」については是非「浴室乾燥」「衣類乾燥」も含めて有効活用いただければと思います。


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