「キッチンが古くなったわね~ リフォームでもしようかしら」
こう考える奥様は多いと思います。
でも、キッチンのリフォームとなると、20万、30万円での予算では厳しいので、そうそう簡単に決断できないですよね。
今回のコラムはそんなあなたのための読み物です。
とくにリフォーム経験がない方、初めてリフォーム検討される方は是非ご覧ください。
築40年のマンションに住む方(A子さん)を取材した写真を参考にしながら、キッチンリフォームを考えるにあたってのポイントをお話ししていきましょう。
リフォーム ガイド:森 雅樹|森住宅コンサルタント株式会社 代表
目次
キッチンの手元が暗くて不便
今お使いのキッチンでこのような不満はありませんか?
この写真(リビング側から見たキッチン)をみれば一目瞭然なのですが、A子さんは、マンション購入後からキッチンがとにかく暗いことが不満です。
比較的光の取り込みやすい対面キッチンとなってはいるのですが、問題は吊戸棚の存在にありました。
写真からもわかるように、リビング側からの採光を取れるにもかかわらず、吊戸棚があるゆえに天井から壁が下がってきて採光面積が狭くなっていますね。
古いキッチンはこのような吊戸棚が圧倒的に多いのですが、収納力確保のために明るさを犠牲にしてる感があります。
ところが最近はこの吊戸棚を付けないタイプが圧倒的に主流です。
この写真のような感じになりますので、前からの光が遮られることもなく明るい手元が確保されます。
「とにかく明るいキッチンが欲しい!」ということであれば、対面キッチンを選べば問題ないでしょう。
昔ながらの壁付型キッチンも悪くはない
最近では対面キッチンが主流ですが、昔ながらの壁付もメリットがたくさんあります。
A子さんもリフォームを機に壁付タイプを選ぶという選択も検討しました。
対面キッチンに慣れてしまっていたのですが、壁付にすると窓から入る直接光を取り入れることができるからです。
ただ、現宅の状況では窓が極めて小さいので、壁付キッチンにするのであれば、窓自体を大きくする工事も考えなくてはなりません。
これには、費用も掛かることに加えて、建物の構造も調査する必要があります。
写真のような小さな窓では光もほとんど入りません。
「壁付にして明るくしたい」とA子さんは話をしていましたが、今回の場合は開口部を新たにとる工事は現実的ではないかもしれません。
アイランド型キッチンを検討
【アイランド=島】となります。
つまり、キッチン本体がどの面も壁に接することなく、リビングの中に島のようにポツンと存在する形式を言います。
この写真を見ていただければよいでしょう。
街中にあるキッチンスクールなどでよく見られる形式です。こうすれば、先生が料理をする光景を生徒さんがぐるりと周りを囲みながら観察できます。
ここでA子さん宅のリビングをもう一度見てみましょう。
この部屋はLDKすべてを合わせてると20畳ほど。
アイランド型キッチンに出来なくはないですが、部屋の真ん中をキッチン占領する形になってしまうので、さすがに現実的ではありません。
次の写真を見てください。
これはある住宅展示場なのですが、LDKが31畳あります。
31畳あるとこのようにアイランド型キッチンを付けても余裕があるので大丈夫。
アイランド型キッチンにリフォームされたい方は参考にしてください。
ペニンシュラキッチンとは?
【ペニンシュラ=半島】ですね。
ただ、対面キッチンという言葉を聞いたことはあっても、ペニンシュラキッチンは聞き慣れません。
ペニンシュラキッチンとは、アイランド型キッチンのどこか一部が壁に接しているキッチンとお考えください。
本来ならばアイランドキッチンにしたいものの、広さの関係であきらめざるを得ないケースで選ばれることが多いようです。
セパレート型キッチンとは
A子さんのキッチンを見ると、シンクと作業台が横に並んでいて、さらにその奥にコンロがあります。
そして、背面にあたる右側には食器棚があります。
この形は一般的なのですが、セパレート型キッチンはこの食器棚の部分にガスコンロやIHクッキングヒーターを持ってくるものです。
先ほどと同じ住宅展示場の写真を再度掲載しますが、この形がセパレート式と言われるものです。
L型キッチンとは
A子さん宅のキッチンを見てみましょう。現状のキッチンは対面式L型キッチンとなるものです。
キッチンリフォームを行うときには、先に書いたように対面、壁付け、アイランドなどの形式を決めるわけですが、次に考えなくていけないのはその形です。
基本形はI型と呼ばれる一直線の形ですが、L型の形状も一般的なものといえます。
ただ、写真をよく見てほしいのですが、L字型の部分に随分と物があふれかえっているようには見えませんか?
物を置きやすいことが影響しているのですが、L字の一番奥に置いたものは手が届かなくなっています。
L字キッチンはスペースの問題や使い勝手から好まれるのですが、このようなデッドスペースができることだけは頭に入れておきましょう。
キッチンリフォームは、細部にも注意を払おう
1)たこ足配線を解消する絶好のチャンス
これは重要ですよ。
あなたが今使っているキッチンにおいて、たこ足配線の問題に悩んでいませんか?
A子さんのキッチンはすでに40年が経過していますが、20年程度しか経過していないキッチンを見ても、そのほぼすべてがコンセント不足に見舞われています。
たこ足配線をなくすコツはこの2点。
- 現在のキッチンで使っている家電製品はいくつあるか
- これから購入しそうな家電製品はいくつあるか
とにかくこの計算がすべて。
今既にたこ足配線ならば、現状よりは数を増やさなくてはなりません。
また、キッチンをリフォームすると、新しい家電製品を買いたくなるのが人情です。
これまで1台だけコーヒーマシンを持っていた人がキッチンのリフォームをすると、「エスプレッソマシンも購入しようかな」「豆を挽くためだけのマシンも買おうかな」となってくるのです。
ですから、キッチンのリフォームを検討される際には、必要以上のコンセントを設置することをお勧めします。
2)収納しきれなかったものを仕舞えるチャンス
キッチンリフォームの取材で現場に行くと、ほぼすべての皆さんが収納に困っています。
特に目立つのがホットプレートやタコ焼き機や焼肉専用器などの大物。
これらのものは大きくてかさばるので、事前に収納できるようなキッチンを選択することが重要です。
3)IH、ガスコンロどちらにするかを選べるチャンス
これからキッチンリフォームを考える方の大半はガスコンロを使用しているはずです。
そうなると、
- 【ガスコンロ⇒ガスコンロ】
- 【ガスコンロ⇒IHクッキングヒーター】
の二者択一を迫られます。
どちらがいいとは断言できませんが、料理の出来栄え、安全性、清掃のしやすさ、熱効率、調理中の快適さなどを、ガス会社と電力会社双方のショールームに出かけて話を聞き比べてください。
いずれも驚くほど進化をしています。
初めてのキッチンリフォーム まとめ
キッチンリフォームをする人がここ最近たいへん増えています。
調理をするところですから、なるべく清潔にするためにも新しいキッチンにリフォームしたほうが良いですし、なにより気分が全く違いますからね。
ただ、新しくなれば良いというものではありません。
対面キッチンをはじめとして、壁付けやアイランドという選択もできます。そして、ペニンシュラという耳慣れないタイプもご紹介しました。
このほかにも様々なタイプがあり、さらにはキッチンの幅や高さなどもそれぞれです。
ご自分にあった形式を探して、素敵なキッチンライフをスタートさせてください。キッチンリフォームは生活を大きく変えることになるでしょう。
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