2020年6月18日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ビルトインガスコンロなどの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
今の家庭用ガスコンロは全口センサー仕様が標準ですが、難しい名前の安全装置(安全機能)も多く、機能について把握されていない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、安全機能の中でも重要な「立ち消え安全装置」と「温度センサー」についてご紹介いたします。
目次
ガスコンロの立ち消え安全装置と温度センサーの違い
「立ち消え安全装置」と「温度センサー」においては、誤認識が多い印象ですので、この機会に正しい知識を取り入れておきましょう。
立ち消え安全装置は、バーナーの横についているボールペンの先端のような部品です。
温度センサーは、バーナー中央にあるお鍋の底の温度を測る部品です。
意外と多いのが、「温度センサー=立ち消え安全装置」という認識ですが、これは間違いであり、全く別の役割をもっています。
ガスコンロの立ち消え安全装置とは
立ち消え安全装置の役割と仕組み
立ち消え安全装置は、炎を検知する部分です。
例えば、調理中に吹きこぼれや煮こぼれ、風などの影響で火が消えてしまうと、「ガスは出たままにならないの?」と心配になりますよね。
「立ち消え安全装置」さえついていれば、ガスを自動的に止めてくれます。
ですが、この立ち消え安全装置が汚れていると、点火トラブルの原因になることがあります。
点火時にスイッチから「手を離すと火が消える」という症状を経験したことはありませんか?
これは、立ち消え安全装置が炎をきっちりと検知できず、手を離すと安全装置が働いてガスを遮断する仕組みになっています。
立ち消え安全装置の解除
「立ち消え安全装置を解除方法」を知りたい利用者さんも少なくないようですが、この背景には大きく2パターンあると感じています。
- 立ち消え安全装置が働いて、点火不良の症状で困っている場合
- 本当に解除したいのは、火力を勝手に調節する「温度センサー」という場合
点火不良の場合は、立ち消え安全装置をお掃除してあげれば、トラブル解消されることが多いです。
つまり、立ち消え安全装置の解除方法は「掃除をすること」です。
一方、温度センサーの解除は、また話が大きく変わってきますので、引き続き次項で説明します。
ガスコンロの温度センサーとは
温度センサーの仕組みと役割
温度センサーが全口に搭載された『Siセンサーコンロ』が普及し、コンロ火災は大きく減少しました。
この温度センサーは、お鍋の底の温度を常に監視し、危険な温度になる前に火を弱くしたり、火を消したりします。
また、安全装置の役割に加え、便利機能でも多数活躍するセンサーでもあります。
- 天ぷら油過熱防止機能
- 焦げつき自動消火機能
- 鍋無し検知機能
- 温度キープ機能
- 自動炊飯機能
- 自動湯沸かし機能
これらは全てセンサーがあるからこそ、機能をしています。
ですが、ときには調理中に火が勝手に弱くなったり、勝手に火が消えたりと、
「安全性はわかるけど、ちょっと不便よね」
という声が多いのも事実です。
温度センサーの解除方法
Siセンサーガスコンロには、早切れ防止機能が搭載されています。
これは、約250℃になると自動で火を弱くし、すぐには火が消えないようにする機能です。
ですが、この機能がついていても、「火が弱くなるのが早くて不便」という声はやはり多いです。
そこで、約250℃を超えても、約290℃までは強火を保つ「センサー解除」を試してみましょう。
いわゆる「高温モード」と呼ばれる機能ですが、機種によって搭載の有無や名称が異なります。
- センサー解除
- 高温炒め
- あぶり高温炒め
これらのモードを使っても「火が弱くなる」「火が消える」場合は、約290℃を超えている状況であり、危険な温度帯になっていると認識しておいてください。
邪魔でも温度センサーの完全無効化や取り外しはできない
もし、センサーがなければ、温度は上がり続け、やがて油が自然発火をする約370℃に到達するリスクが高まります。
国が法で定めて義務化したのも、コンロ火災を減らすことが最大の目的であり、今はセンサーなしコンロの製造や販売をすれば罰せられます。
ガスコンロの自動消火による機器停止後の解除について
稀に「自動消火後の解除はどうすればいいですか?」と聞かれることがあります。
ガスコンロの安全装置が働いたり、便利機能で自動消火をした場合、ガスコンロの点火スイッチは「入」の状態です。
これを「切」の状態に戻すことが解除といえます。
ガスは止まっているとはいえ、できるだけ早く「切」の状態に戻しておいてください。
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