2020年5月31日|最新情報更新しました
- 竹節 倫敦(たけふし ともあつ)
- 専門資格:ガス給湯器などの設置施工に必要不可欠な液化石油ガス設備士(国家資格)に加え、高圧ガス販売主任者第二種、丙種ガス主任技術者の資格も保有している。
ある日突然「浴槽に黒い汚れや異物が出てきた」というような問い合わせがあります。
このような場合、「浴槽が黒く汚れていて気付くケース」と「風呂自動湯はりをすると湯船に黒い異物が浮かんできて気づくケース」があります。
この記事では、黒い汚れや異物が出てきた場合の原因と対処方法をご紹介いたします。
目次
浴槽に黒い汚れや線がついているケース
お風呂で「黒い汚れ」と聞くと「黒カビ」を想像してしまいますが、黒カビであれば浴槽外も同じように黒カビが発生している可能性が高いです。
黒カビ以外の原因としては、次のようなケースが考えられます。
1.金属石けんの可能性
金属石けんとは、身体から出る脂肪や石けんの脂肪などが、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンと反応して、黒色の汚れとして浴槽に付着することです。
まずは、市販の浴室用中性洗剤をスポンジに付けてこすり、汚れが落ちるかを試してみましょう。
洗剤が残らないようにしっかりと水で洗い流すことが重要です。
2.湯アカ・水アカの可能性
- 湯アカ…身体の皮脂、石けんなどが結びついた汚れで、浴槽に付着します
- 水アカ…水道水に含まれるケイ酸がたまった汚れで、浴槽に付着します
湯垢・水垢も放置すると頑固な汚れになりますが、金属石けん同様、まずは市販の浴室用中性洗剤を試してみましょう。
洗剤が残らないようにしっかりと水で洗い流してください。
黒い異物が浴槽に混入しているケース
1.浴槽の循環アダプター(金具)の可能性
循環アダプターから浴槽に出現する黒い異物の一つに「循環アダプターの仕切パッキンのゴム」が考えられます。
通常では剥離する可能性は低いですが、お掃除などの際に「酸性の洗浄剤」などの影響を受けた場合は剥離して「異物」として出現する可能性も考えられます。
2.給湯器の部品劣化の可能性
湯はり・おいだき回路の部品(ポンプなど)のゴムパッキンが劣化して、湯はりやおいだき時に浴槽に混入した可能性も考えられます。
水質などの影響も否定はできませんが、洗浄剤などを使用されている場合は、すすぎが十分できていなかった可能性なども考えられます。
あるいは、給湯器の長期使用(経年劣化)によるゴムパッキンの劣化なども考えられます。
3.湯アカや汚れの可能性
黒い色ではないこともありますが、湯垢などが配管にこびりついていて、それらが剥がれて浴槽内に入ってきている可能性もあります。
また、給湯器の種類によっては、稀に身体の湯垢が遊離して熱で炭化して異物として浴槽に混入するケースもあります。
給湯器の部品劣化の可能性も
金属石けんや湯垢などであれば掃除をすれば解決しますが、給湯器内部の部品劣化の場合は、「給湯器が大丈夫なのか?」も確認しなくてはなりません。
異物の量にもよりますが、多く発生している場合は、部品のゴムパッキンなどの劣化がかなり進んでいる可能性もあり、確認するにはサービスマンが分解してみないと判断できないため、修理・点検依頼が必要となります。
特に、給湯器の寿命は10年と言われており、長期間使用している給湯器であれば、機器の経年劣化の可能性もあります。
使用年数が7~8年以上の場合や、お掃除の際に強い酸性の洗浄剤などを使った覚えがある場合などは、一度点検の相談をしてみてはいかがでしょうか。
以上、浴槽に黒い汚れ・異物が出た場合の原因と対処方法をご紹介いたしました。
浴槽や循環アダプターなどは定期的なメンテナンスが必要です。
汚れや異物の原因となったり、給湯器の機器劣化につながる可能性もありますので、日ごろから定期的なメンテナンスを心がけましょう。
文:ガス専科編集部 記事監修:竹節 倫敦(液化石油ガス設備士)
コメントを残す