換気扇は現代の住宅やアパートであれば必ず装備されているものです。モーターが存在しない時代には換気扇という発想はなかったでしょう。
換気扇は菌、湿気、カビ対策、悪臭、埃などを住宅から外へ排出して私たちの健康を守ってくれる重要な住宅設備機器のひとつといえます。換気扇がない場合は住宅などが非常にカビ臭く、湿気もこもりがちになり不快な思いをします。また、菌にもさらされるリスクが高まります。
このような事を解消してくれる縁の下の力持ちの換気扇ですが電化製品なので音や故障がつきものです。いざという時に慌てない為にも換気扇の音や異音のトラブル対処法なども知識の一つとして蓄えておくことをおすすめします。
目次
キッチン・お風呂・トイレの換気扇がうるさい
キッチン、お風呂、トイレなど、換気扇の異常に気が付くのはほとんどが「音」が聞こえ始めてからです。新品当初の換気扇は非常に静かですが、時が経つにつれて異音が発生します。新品当初やクリーニング当初は「サー」という音でほとんど気にならないのですがその内「ザー」という濁音に変わり「ブーン」や「ゴー」という重低音に変わったりして耳障りになり非常にうるさく感じてしまう方も多いでしょう。この換気扇のうるさい異音は換気扇からのヘルプメッセージと思ってください。換気扇の音が「うるさい」と感じたら速やかに電源を切りメンテナンスを行いましょう。
換気扇の異音と対処法
換気扇の異音の種類も様々だと思いますが、音により換気扇のメンテナンス種類を見分ける事が出来ます。
換気扇の構造は非常にシンプルですが換気扇一つ一つにエラー状態を読み取る機能はほとんど付いていません。そのようなエラーを読み取る機能を付けると高価になってしまい量販品としての価値がなくなるからです。換気扇の使用状況は非常に過酷です。その分劣化も早くなりやすいのでこれを機会に換気扇の「声」に耳を傾けてみてください。
「ゴー」「ブーン」などの重低音
換気扇から「ゴー」「ブーン」などの異音が発生した場合は、ほとんどが換気扇のプロペラ部分の汚れによるものです。換気扇のプロペラ部分に汚れが付着すると均等に回転するはずのプロペラ部分の荷重バランスが崩れてしまい換気扇の回転速度が偏ります。この為「ゴー」という音や「ブーン」という音が発生します。
このような異音が発生した場合は換気扇を止めてプロペラ部分の掃除をしましょう。ほとんどの換気扇のプロペラ部分はメンテナンスの為に簡単に取り外しができます。一度キレイにふき取りや洗浄をしてみてください。換気扇からの異音が無くなるでしょう。
「キーン」「キュルキュル」などの高音
換気扇が高音でヘルプメッセージを出す場合があります。この場合はプロペラ回転部分の潤滑油が切れている事が原因でしょう。よくドアなどを開閉した時に潤滑油が足りないと「キィー」と音がします。この音を連続回転させた音で聴くと「キーン」や「キュルキュル」という音に聞こえます。
この音が聞こえ出した場合はプロペラ部分の潤滑油が不足していますのでホームセンターなどでグリスなどの潤滑油を購入して補充してください。注意しなくてはいけない点ですが潤滑油が液体状だと換気扇の回転で飛散してしまい直ぐに再び「キーン」や「キュルキュル」という音が発生しますので粘度が高い物を潤滑油として使用することをおすすめします。
「カラカラ」「カタカタ」乾いた音
「カラカラ」や「カタカタ」という音が換気扇からしてきた場合は換気扇にゴミなどが付着している可能性があります。糸くずや巻き込まれたゴミの堆積により換気扇のフード部分にゴミが換気扇の回転に合わせて当たっている状況です。
このような場合換気扇の種類にもよりますが電源を落として換気扇を手動で回してみてください。違和感のある部分や音が出るはずです。場所を特定できればあとは掃除をするだけですのでキレイに取り除いてください。
モーター音
同じく「カラカラ」という音もしますが「ジー」というモーター音がする場合もあります。この場合はモーターの内部が劣化してサビ付きを起こしている場合があります。
この場合は換気扇が回転しないことも多くありますので換気扇の回転で判断しましょう。換気扇のモーター内部のサビゴミが回転軸に付着してモーターに異音が発生している場合がありますので換気扇を一度分解する必要があります。
DIYに自信がある人ならドライバーで分解することも可能ですがそうでない場合は買い替えるか修理などの検討も必要になるでしょう。くれぐれも無理に分解しないでください。サビ付きが酷いと少しの衝撃で換気扇が破損する場合があります。
不自然でおかしい音
換気扇は回転するものですので細かい単発な音が連続すると「ザー」や「ゴー」などの音に聞こえてしまいます。しかしこの他にも明らかに故障したような「ガタン」や「ゴトン」「ガシャガシャ」等と言った衝撃音が発生する場合もあります。
その場合はプロペラに付属の部品などが当たり換気扇の回転数を弱めていますので速やかに運転を注意してください。電源を切ったらフードやフィルターを取り外して換気扇内部の点検をしてプロペラに当たっているような物を取り除きましょう。換気扇の部品の一部だった場合はどの部品か確実に把握して再度取り付けるなり、交換するなどをしてください。
お風呂・キッチン・トイレの換気扇の特徴
キッチン換気扇の特徴
キッチン換気扇は形式として主に2パターンに分かれます。
一つはプロペラタイプの換気扇です。もう一つは円柱状のシロッコファンになります。プロペラタイプの物であれば構造は単純ですのでメンテナンスも容易ですがシステムキッチンなどの換気扇はシロッコファンやターボファンと言われる円柱状の物が多いので多少構造が複雑になります。
メンテナンスの際には充分注意して取り扱い説明書などを確認してみましょう。また、キッチンの換気扇は油汚れが非常に付着し易い場所になりますのでメンテナンスやクリーニングの場合は洗剤などを使用して綺麗にしましょう。また掃除の際には内側だけでなく建物の外側も掃除することをおすすめします。
お風呂の換気扇の特徴
お風呂の換気扇の役目は主に湿気対策になりますので換気扇も湿気などからくるサビに注意してください。
最近の浴室用の換気扇は換気乾燥暖房機とセットの場合も非常に多いので掃除の場合は分解方法に注意してください。不要なところまで分解すると保証対象外になります。また湿気が多い為としてカビなどの繁殖も考えられますので対策には充分に気を付けましょう。防かび剤などを塗布しておくと以外に効果的です。
トイレ換気扇
トイレの換気扇の場合は主に臭い取りが主になります。その為こまめな掃除をすると非常に良いでしょう。また菌などの排出も考えてメンテナンスの場合には抗菌仕様にすると非常に効果を発揮します。またフィルターなどを取り付けると汚れやゴミに対しても効果的ですのでフィルター装着なども検討してみてください。
換気扇の取り扱い
換気扇はあまり目立たない存在ですが私たちの健康を維持する為に非常に重要な役目を持っています。換気扇が壊れたりすると病気になるリスクも高くなります。このように重要な役割を持っている換気扇ですが雑に使用している方が多いのも事実です。換気扇の音は換気扇が故障する前のヘルプサインですので見落とさないようにしてください。また、取り扱いについては3〜4カ月に一度は定期的に掃除をして年末には洗剤液に浸して消毒することをおすすめします。
賃貸の場合は誰が直す?
マンションやアパート等の賃貸に住んでいる方は換気扇が故障した場合には誰が負担するか気になる所でしょう。基本的に換気扇は居住に必要な住宅設備機器になりますので、修理や交換は大家さんや管理事務所で負担します。換気扇の寿命による交換費用や通常使用の場合の換気扇の故障などが挙げられます。
しかし、これには条件があり入居者がキチンと定期的に清掃していた場合です。キチンと入居者が換気扇を清掃しないで故障した場合は通常使用と見なさず入居者の怠慢という扱いになってしまいます。故意や過失で換気扇を壊してしまった場合も同様になりますので注意してください。
私たちの日常生活で欠かすことのできない換気扇ですが使用環境は非常に過酷です。耐用年数も基本的に10年から15年ですのでこまめに掃除やメンテナンスを行い、長持ちするように使ってみてください。ちなみに筆者の実家換気扇はこまめに清掃しているおかげで20年以上持っています。現代社会は物を大事に扱わない風潮にもありますのでこれを機会に色々な物を大事にしてみてください。