ガス代の明細を見て、「今月のガス代上がってる?」と感じているご家庭は少なくないと思います。
中には「節約しているのになぜ?」と思われているかもしれません。
特に冬場はガス代が年間のピークになるご家庭がほとんどであり、そこには明確な理由があります。
そもそも正しい情報を知らなければ、正しい節約につながらないので、まずは「冬のガス代が高い」理由を知っておいてください。
ガス代が高くなる4つの理由
1.ガスコンロのガス代
まずは、ガスコンロのガス代について考えてみましょう。
ガスコンロの場合は、大きなガス代の底上げにこそなりませんが、平均的にみても、冬の使用頻度はアップしがちで、ガス代のアップ要素になります。
- 温かい飲み物用のお湯を沸かす
- ガス火を使う調理が増える
さらに、単純にお湯を沸かす場合でも、夏のお水と比べて、冬のお水はかなり冷たい(水温が低い)です。
つまり、同じ量のお水を沸かすのにも、より多くのガス(熱量)を使わなくてはいけないので、1回で見れば微々たる差ですが、毎日の蓄積が、ガス代の底上げにつながるひとつの原因となります。
2.給湯器のお湯(給湯)
続いて、給湯器の給湯(キッチン・洗面・シャワーのお湯)です。
給湯器本体は、普段の生活であまり目にする設備ではない上、蛇口を開ければ、当たり前のようにお湯が出てくるからこそ、どうしても意識が低くなってしまいがちです。
実は、給湯器もガスコンロでお湯を沸かすように、給湯器本体内で点火して、水をお湯に変えているのです。
作り出すお湯は40℃や42℃などの温かいお湯ですが、冬場の水温を5℃とした場合、かなりのガス(熱量)が必要となります。
夏場は水で手洗いをすることが多いですが、冬場は当たり前のようにお湯を出しますよね?
ガスコンロと比べて上昇させる温度幅は狭いですが、お鍋でお湯を沸かす量と、給湯で出すお湯の量は、比較対象にならないほど差があり、この給湯がいかにガス代を底上げしているかがわかります。
水温のイメージは、夏場:約25℃、中間期(春・秋):約15℃、冬場:約5℃程度です。
3.お風呂のお湯はり+おいだき
こちらも給湯と同じで、寒い冬は暖かいお湯を浴槽にためて、入浴するシーンが増えてきます。
浴槽サイズは様々ですが、家庭用の浴槽にお湯をためるということは、イメージ的に約180~200L近いお湯を沸かして、お湯はりすることになります。
【参考】
200リットルの浴槽に42℃のお湯を自動でためる(自動お湯はり)場合(1)水温が5℃の場合、ガス代は約95円(税込)かかります。
(2)水温が25℃の場合、ガス代は約44円(税込)かかります。
※基本料金は含みません。
※ガス使用量1m3あたり127.18円(税込)で計算しています。お客さまの使用状況等に当てはまらないこともございますので目安としてご覧ください。
水温の低い冬場は、夏場と比べると、約2倍のガス料金がかかることがわかるかと思います。
また、お風呂内の外気温も低く、お湯が冷めやすいため、おいだきの頻度も高くなりがちです。
ですが、これは全国のどのご家庭にも共通することであり、冬場はガス代が上がるのは当たり前のことですので、節約する場合は、その上で何ができるかを考える必要があります。
4.暖房のガス代
ガスの暖房設備を入れているご家庭は、暖房のガス代も大きなガス代が高くなる原因となってきます。
主なガス暖房設備
- ガス温水式床暖房
- 浴室暖房乾燥機
- ファンコンベクター
- ガスファンヒーター
これらは、夏場と比べて、使った分だけ、ガス代のアップ要素となってきます。
冬場のガス代を抑えるためのコツ
小さなケアでガス代を安くする方法はいくつもあります。
冬のガス代節約ポイント
- ガスコンロでお湯を沸かす場合は、フタをする
- 少しお水を出すだけなら、お湯側(赤蛇口)ではなく、水側(青蛇口)で出す
- お風呂の自動湯はりをする時は、フタをする
- お風呂の保温中も無人の場合はフタをする
- 床暖房は30分前にOFFにする
特に毎日使う給湯(キッチン・洗面・シャワーのお湯)は、大きなポイントになってきます。
家に帰ってきて、お湯を出しても、最初は配管内のお水が出てくるので、なかなかお湯に変わらないと感じていませんか?
お湯に変わるころには、手を洗い終わっていませんか?
我が家(マンション)の場合、洗面でお湯を出した場合、温かくなり始めるまでに約25秒かかり、完全に設定温度になるまでに約30秒かかります。さっと手を洗う場合は、お湯は使わずに水で洗います。
お湯に切り替わってから手を洗い始めるスタイルであれば、節約にはなりませんが、水の状態から手を洗い始めて、お湯になる前に洗い終わっているケースが多い場合は、節約に繋がる可能性があります。
この場合、体感的には、お湯は出てきていない状態ですが、給湯器は赤い蛇口を開けた瞬間から点火して、お湯を作っているので、この約30秒間のお湯(ガス代)は丸々無駄になっているのです。
すぐに再出湯する場合は、配管内のお湯も温かいので、無駄にはなりません
お湯が出てくる前に手を洗い終わるケースが多い場合は、水側(青い蛇口)で出すように習慣づけることで、無駄なガス代を使わずにすみます。
また、床暖房を使っているご家庭は、一定時間を運転した場合(約2時間運転が目安)は、運転をOFFしても約30分程度は暖かさが持続されるため、就寝前やお出かけ前などの30分前にOFFにする習慣ができれば、快適性を損なわずにガス代節約に繋がります。
お風呂のフタも、小さな積み重ねで、ガス代節約に繋がるので、できることから実践してみてください。