ガス器具には、大きく都市ガス(12A・13A)とプロパンガス(LPG)があります。「ガスの種類の確認」は、ガス器具購入前に必ず確認が必要な項目の一つであり、間違ってしまうと使用することができません。
また、ガス種の間違いでの返品もできないことがほとんどなので、ご家庭のガス器具の「都市ガス・プロパンの違いと見分け方」は知っておいてください。
目次
都市ガスとプロパンガス(LPG)を簡単に説明
画像出典:日本ガス協会HPより
ガスの原料や性質の話をしてもチンプンカンプンになるかと思うので、ここでは簡単に解説します。
都市ガス(12A・13A)について
都市ガスを簡単に説明すると「天然ガス」であり、供給元は東京ガスや大阪ガスなどの都市ガス事業者が中心です。供給方法は、地中のガス管(導管)を通じて各ご家庭に供給されます。
本来は無色・無臭の天然ガスですが、ガス漏れが発生した時にすぐに気が付くことができるように、「匂い」をつけているのが特徴です。
プロパンガス(LPG)について
プロパンガス(LPG)を簡単に説明すると、供給事業者がプロパンボンベ(容器)にて各ご家庭にガスを供給しています。もう少しイメージしやすく説明しますと、以下のプロパンボンベ(容器)の写真を見てください。
ガスが切れるとガス器具は使用できなくなるので、契約している事業者が定期的にトラックなどで運んできます。このボンベ(容器)がご家庭にあるかどうかで、我が家がプロパンかどうかがわかるのではないでしょうか?
また、プロパンガスも都市ガスと同様、本来は無色・無臭のガスですが、ガス漏れ発生時にすぐに気が付くように「匂い」がつけられています。
ガス器具の都市ガス・プロパンガスの見分け方
ガス器具にはガスコンロや給湯器ど、種類はいろいろありますが、基本的に製品ラベル(型式や製造番号、ガス種などが記載されたラベル)が貼られています。
ガスコンロの場合
ガスコンロの場合、ビルトインコンロやガステーブル、メーカーや型式によってラベルの場所は異なりますが、ビルトインコンロであれば、操作部のパネルの裏に貼っていることが多いです。また、ガステーブルであれば、本体の側面に貼っていることが多いです。
以下はビルトインコンロの一例で、操作部のパネル裏に型式や製造番号、ガス種などが書かれたラベルが貼ってあります。
給湯器の場合
給湯器の場合は、本体前板の製品ラベルにガス種が書かれています。以下は東京ガスの給湯器の場合ですが、赤枠部分がそのラベルにあたります。
この給湯器の場合は、「都市ガス」仕様ということになります。
ガスの種類の探し方(ガス器具全般)
ガスコンロや給湯器をはじめ、その他のガス器具の型式やガス種を探す場合は、次のページを参考にしてみてください。
■ ガス機器全般についてのFAQ(リンナイ)
https://rinnai.jp/service/faq/gas_general_all/gas_general/answer
メーカーや機種によって、ラベルの位置は異なります。
ガスの種類を間違って購入した場合の対処法
ガス器具は店舗で購入する場合もあれば、インターネット通販で購入するケースもありますが、必ずガスの種類は確認して購入する必要があります。
ガスコンロでも給湯器でも、多くの機種は「都市ガス用」「プロパンガス用」と作り分けられていますが、カタログ上の型式は同じです。つまり、「都市ガス用」か「プロパンガス用」かは必ず指定する必要があるということです。最近では、ネットでガス器具を購入するケースも増えてきており、必ずといっていいほど「ガスの種類の間違いによる返品不可」と注意が促されています。
では、間違って注文してしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか?
ネットやリサイクルショップで安価で販売して、新品を買い直すのはかなりもったいないです。まずはできることを確認してから最終手段として売却などを考えましょう。
間違ったガス種での使用は絶対に禁止
まず、ガスの種類を間違ったまま使用すると、炎に異常が生じてとても危険なので絶対に使用禁止です。
販売店に相談してみる(開梱前)
過失がどちらにあるかで状況は異なるかもしれませんが、基本的には返品や交換は受け付けてもらえません。ただし、開梱前であれば可能性はゼロではないかもしれません。念のため販売店に相談してみましょう。開梱後は未使用であっても可能性はゼロに近いでしょう。
正規のガス種変更(部品交換)を依頼する
「都市ガス用」と「プロパン用」では、主にガス通路関連の部品が異なります。基本的な機器構造は同じですので、異なる部品を取り替えることで「ガス種変更」ができる機種もあります。但し、個人での改造はできないので、必ずプロのサービスマンに依頼をして行ってもらう必要があります。
基本的に「部品代+技術料+(出張料)」がかかってきますが、高価な商品であれば買い直すよりは費用が抑えられると思います。
部品も安いものであれば数百円程度の場合もありますが、部品代だけでも数千円~1万円を超える場合もあるので、発生費用が判断材料になるかと思います。
販売店側で対処できない場合は、メーカーに直接ヒアリングすることをおすすめします。
ガス器具のガスの種類【まとめ】
東京ガスや大阪ガスなど、都市ガス供給エリアの場合は「ガス=都市ガス」、プロパン契約の場合は「ガス=プロパンガス」が各ご家庭では当たり前になっているかと思います。特にネット購入の場合は、ガス種をあまり気にせず購入して失敗される方もいます。また、店舗販売であっても、双方の確認不足や思い込みなどで、違うガス種で販売されてしまったケースなども実際にあります。
せっかく新しいガス器具を楽しみにして購入されるわけですから、失敗しないように気をつけてくださいね。