ガス給湯器のお湯は、給湯リモコンで幅広い温度設定が可能です。
これまでは、37℃~48℃、50℃、55℃、60℃というように、「低温は37℃」~「高温は60℃(70℃や75℃の場合もある)」の幅が一般的でした。
給湯器のお湯は、冬場の高温に着目されがちですが、春・夏・秋も当然、お湯は使います。
そんな中、夏場の暑い時期に、「もう少しお湯の温度下がらないのかな…」と感じたことはありませんか?
給湯器の性能で「低温側の温度」は変わる
給湯器の「お湯の温度」の基本
給湯器は、基本的に設定温度以下の水(お湯)が流れると、「設定温度にするために燃焼」します。
冬の入水温度が低い場合
冬のお水(入水温度)は非常に低く、5℃程度まで下がります。
- 5℃のお水を41℃まで上昇させる場合は、給湯器も「最大燃焼」で温度を上げようと加熱を続けます。
- 5℃のお水を37℃まで上昇させる場合も、給湯器は「最大燃焼」で温度を上げようと加熱を続けます。
夏の入水温度が高い場合
真夏のお水(入水温度)は非常に高く、25℃~30℃程度まで上がります。場合によっては、給湯器のリモコンはOFFで、水のままでも十分な時もあるでしょう。
ですが、入水温度が高いとはいえ、お水のままでは「少し冷たい」。そうすると給湯器で燃焼させて、お湯にするしかありません。
その場合、従来式給湯器の性能では37℃が設定できる一番低い温度であり、「37℃」まで上がってしまうので、今度は「少し熱い」となってしまいます。
その中間の32℃~35℃のお湯が欲しいのに、従来はどうしようもありませんでした。
リモコンの32℃・35℃低温設定
最近の給湯器(リモコン)は、32℃・35℃の低温出湯できる機種が増えてきています。
そこで、率直な疑問を受けることがあります。
Q:「もっと早くリモコンに32℃と35℃を設定しておけばよかったのでは?」
A:給湯器側で低温のお湯を作るシステム(メカ)があって、初めて成立するものであり、リモコンだけでは意味がなく、給湯器側の技術の問題なのです。
現在は、技術も進歩し、夏場のシャワーやキッチンの洗い物も快適にできる「低温出湯」できる機種も増えてきているのです。
- 35℃は、体温より少し低めで、夏のシャワーに最適です。
- 32℃は、夏場のキッチンの洗い物に嬉しい温度(熱すぎず・冷たすぎずの温かいお湯)です。
但し、給湯器が最も低出力で絞って燃焼しても、必ず一定以上の温度上昇はしてしまうので、真夏の入水温度が高すぎる時は、設定温度(低温設定)よりも高くなってしまうケースもあります。
「低温度(32℃・35℃)出湯」まとめ
「32℃・35℃の低温出湯」は、給湯器の数多くある機能(性能)の一つで、ここまでチェックして購入される人はほとんどいませんが、小さいけれど嬉しい配慮であり、おすすめポイントの一つです。
どうしても「お湯=冬」というイメージなので、夏場のことまでイメージする人は非常に少ないと思いますが、知っていることで選択肢は広がります。
- ノーリツ給湯器の場合:低温度出湯
- リンナイ給湯器の場合:32/35℃出湯
各メーカーのカタログに機能が謳われていますが、同じ機能でも機能名称は異なります。
給湯器購入検討の際には、「温度設定」も含め、様々な細かい機能(性能)があるので、可能な範囲でチェックして、満足度の高い検討をしていただきたいものです。